公園文化を語るみどり花コラム公園の達人公園管理運営「チャレンジ!」しました生きもの小話公園の本棚

花みどりミニ検定第183回 (2025/02/01~2025/02/28)

前回の解答と解説

第1問

問題
中国では竹、梅、菊、【 】の4種類の植物を高潔な君子にたとえ、四君子と呼びました。水墨画等の画題として、中国や日本の文人達が好んで描きました。
【 】に入る植物は何でしょうか?
  • 1
  • 2
  • 3牡丹
  • 4芍薬
正解2
解説
ここでいう蘭は1茎1花の東洋ランのことです。その簡素な姿を君子になぞらえて、「四君子」に加えられました。ランの仲間を東洋ラン、洋ランなどと分けて使いますが、これは植物学上の分類ではなく、日本や中国原産で古くから栽培しているものを東洋ランと呼んでいます。
「四君子」とは、草花を描いた、いわゆる花卉画の画題の一つです。中国では竹、梅、菊、蘭の4種類の草花を高潔な君子にたとえ、元時代以降の文人たちが好んで、主として水墨画で描いています。4種類を1図に描いたもの、2種類ずつ、あるいは1種類ずつ個別に描いて一組とするものなどがあります。日本でも渡辺華山、椿椿山など江戸時代の文人画家たちが描いた作品が伝えられています。この4種類の植物の組み合わせは、茎、枝、葉の形、花の有無、大きさ、季節などがそれぞれ異なっているのも特色であり、変化に富んでいます。
解説画像1

第2問

問題
写真は梅雨のころに咲く落葉樹の花です。鋭い刺のある殻につつまれた果実は古くから食用にされていました。
この植物は何でしょうか?
  • 1クヌギ
  • 2クリ
  • 3コナラ
  • 4スダジイ
問題画像1
正解2クリ
解説
クリはブナ科の落葉高木で、約10種が北半球の温帯域に広く分布しています。
日本のクリ栽培は、北海道中部から九州の南端までの山野に自生するシバグリを中心に改良され、奈良・平安時代に大果が現れました。多くの品種があり、1913年には約500品種が記録されています。また、産地としては丹波地方(京都府)が古くから知られています。
雌雄異花で虫媒花。花序は長さ10〜15cmで写真のように白い雄花がよく目立ち、雌花は緑色で花序の基部に固まって咲きます。雌花は長い刺のある殻斗につつまれ、発育してイガとなります。開花は6月ごろ、果実は9〜10月ごろに成熟します。
クリは縄文時代の遺跡からも出土しており、古くから重要な食料とされてきました。正月の縁起物として年神様の供物や歯固めに用いられ、戦国時代には勝利の縁起物としても欠かせないものとされました。また、山村では救荒食物とされ、クリの木の伐採を禁止してきたところも多くあります。
解説画像1

第3問

問題
ツマグロヒョウモンの幼虫はある園芸植物の葉を食べるので、花壇や植木鉢で見ることもあります。
この園芸植物とはどれでしょうか?
  • 1ペチュニア
  • 2プリムラ
  • 3パンジー
  • 4ベゴニア
問題画像1問題画像2
正解3パンジー
解説
ツマグロヒョウモンという蝶は、スミレの仲間を食草としています。幼虫は、野生のスミレ類のほか、同属の園芸植物であるパンジーやアメリカスミレサイシンの葉も食べて育つため、都会の花壇やプランター、植木鉢でも見ることがあります。
成虫は、雌雄で模様が異なり、雌の前翅の先が黒くつまどられているところから、ツマグロヒョウモンの名がついています。もともと南方系の蝶で、分布は西日本に限られていましたが、1990年代以降、分布が北に拡大し、現在は関東地方でもふつうに見られるようになっています。これは温暖化の影響と考えられています。幼虫は黒い体に赤い刺、背中にはオレンジ色の線があり、派手で驚かされますが、毒はまったくありません。

第4問

問題
冬に開花中のシクラメンの鉢植えを育てる場合、最適な水の与え方はどれでしょう?
  • 1土の表面が乾いてきたら、日中に、鉢の底穴から水があふれるくらいたっぷり与える。
  • 21週間に1回、決まった時間に決まった量を規則正しく与える。
  • 3土の表面が乾いてきたら、夕方に、鉢の底穴から水があふれるくらいたっぷりと与える。
  • 4毎朝1回、土の表面が湿る程度の水を与える。
正解1土の表面が乾いてきたら、日中に、鉢の底穴から水があふれるくらいたっぷり与える。
解説
シクラメンは過湿な土壌環境を嫌いますが、開花中は適度な水分補給が必要です。土の表面に触れて乾いているのを確かめてから、暖かい日中に、たっぷり与えるのが基本です。
鉢の大きさや植物の状態によって土の乾く速さは異なるので、その時々の植物や土の状態を確認してから水やりすることが大切です。土の表面だけぬれるような与え方では、水が土中に染みこまず、根から水分を十分吸収することができません。鉢底からあふれ出るくらいたっぷりと与えることで、土中の空気を追い出して酸素を供給するのに役立ち、根の健康を保つ効果もあります。また、夕方与えると、夜間の冷え込みで凍ったりして、根が傷むことがあります。早朝や夕方、夜間の水やりは避けるようにしましょう。

第5問

問題
写真の植物は、冬季の鉢花として人気のあるシクラメンですが、下向きに咲く花の姿から「篝火花」とか丸い球根を持つことから「豚の饅頭」などという別名もあります。この花は、何科に属する植物でしょうか。下の4つの中から選んでください。
  • 1サクラソウ科
  • 2ラン科
  • 3ヒガンバナ科
  • 4ユリ科
問題画像1
正解1サクラソウ科
解説
シクラメンは、ギリシャ語のキクロス(丸い)をもとに命名されました。サクラソウ科シクラメン属の多年草です。花の少ない冬場に室内を飾る花として根強い人気があり、多数の品種が次々に作出されています。最近では黄色の花色の品種も店頭で見かけることがあるようになりました。

第6問

問題
地中海地方に自生するアブラナ科の野菜の花で、この野菜は固まってつくつぼみと肥厚した花茎の部分を食用にします。
この植物は何でしょうか?
  • 1アブラナ
  • 2カリフラワー
  • 3ハクサイ
  • 4ブロッコリー
問題画像1
正解4ブロッコリー
解説
ブロッコリーはビタミン類や鉄分、カルシウム、カリウムなどを豊富に含む野菜として、家庭菜園でも人気の野菜です。祖先種に当たる植物は、キャベツ、ケール、メキャベツなどと共通で、ヨーロッパ西部や南部の海岸地帯に自生しています。
食用にするのは、肥厚した花茎とつぼみの塊(花蕾球)です。そのため収穫しないでそのまま育てると開花します。写真は花が咲き始めた状態で、やがて全体がアブラナ科特有の4弁の花におおわれます。カリフラワーも肥厚した花序を食用にする点では同じですが、ふつう黄白色をしています(最近は花蕾球が紫やオレンジになる品種もあります)。

第7問

問題
中国原産の樹木で、中国ではこの新芽をたいへん好んで食用としています。日本にも食用として室町時代に渡来しました。中国名は「香椿」です。
この植物は何でしょうか?
  • 1ムクロジ
  • 2チャンチン
  • 3アブラチャン
  • 4タラノキ
問題画像1
正解2チャンチン
解説
紅葉は、秋の魅力のひとつですが、春にも新葉が赤くなり秋の紅葉のように美しい葉の植物があります。チャンチンの新葉も淡紅から淡紫色で大変美しいセンダン科の樹木です。落葉樹で高さ20mになり、葉は奇数羽状複葉で長さ50cm位になります。
中国原産の樹木で、現地ではこの新芽を好んで食用としています。日本にも食用として室町時代に渡来しました。景観木として庭園などに植栽されていることがあります。和名のチャンチンは、中国名「香椿」の中国発音「しゃんちん」が転化したものといわれています。

第8問

問題
写真の植物は高山植物として知られています。右は同じ種の花が散った後ものです。この植物について書かれたものから正しいものを一つ選び番号で答えてください。
  • 1バラ科の小低木である。
  • 2キンポウゲ科の一年草である。
  • 3バラ科の一年草である。
  • 4キンポウゲ科の多年草である。
問題画像1
正解1バラ科の小低木である。
解説
写真の花は、チングルマです。バラ科の植物で雪解けとともに咲き始めます。そのため、種子ができる時期でも、雪渓のそばに遅れて咲く花がよく見られます。種子が独特の形なので印象に残ります。
秋には葉が赤く紅葉します。キンポウゲ科にもミツバオウレンやバイカオウレンなど、似た花を咲かせるものがありますが並べてみるとかなり違います。チングルマは、木本と草本に分かれた図鑑では、草本の図鑑にのっていることが多いのですが、説明文を読むと小低木となっています。おなじバラ科のチョウノスケソウも小低木です。
花や種子が似ていますが、葉の形態や花弁の数が違っています。

第9問

問題
『心中を せんと泣けるや (   )の日の 白きこすもす 紅きこすもす』
これは、作家で歌人でもあった与謝野晶子の歌ですが、(   )の中にはある気象用語が使われています。(   )の中に入るのは、下記の中のどれでしょうか?
  • 1
  • 2雲(くも)
  • 3
  • 4
正解4
解説
 情熱の歌人といわれた与謝野晶子は、明治から昭和の時代にかけて活躍しました。彼女は、ある出版社が「新撰秋の七草」を募集した際、「日本の秋にはコスモスが不可欠」と主張したそうです。コスモスといえば「青空」がすぐに思い浮かびますが、コスモス好きの晶子の心に浮かぶ「心中」の場面には雨に打たれて咲くコスモスの方がイメージに合ったのでしょうか。

第10問

問題
セリ、ナズナ、ゴギョウ(母子草)ハコベ、スズナ、スズシロ、ホトケノザは春の七草で有名です。
この中でホトケノザは和名として植物図鑑にあるものはシソ科で全く違うものです。
七草にあるホトケノザとは次のどの植物でしょうか。 
  • 1オケラ
  • 2オドリコソウ
  • 3タビラコ
  • 4ゲンノシヨウコ
正解3タビラコ
解説
 冬芽はロゼット状となり、早春の水田などに多く見られる多年草で、地面にへばりつくように葉を広げているので「田平子」という字を当てられています。
葉や根をちぎると白い液を出し、なめると苦く、味も良いとは言えず、なぜ、このタビラコが七草に入ったのか不思議な気がします。
葉はタンポポやナズナのような不定形の小葉を出し、羽状複葉。春に10cm程の花茎を出し先端に1cmくらいの黄色い花を数個つけます。
解説画像1

第11問

問題
俳句には「季語」という、句の季節を示すために詠み込まれる言葉があり、多くの植物が季語になっています。
「スイセン(ニホンズイセン)」はどの季節の季語でしょうか?
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
正解4
解説
ニホンズイセンは雪中花の別名を持つように、寒さに負けず雪の中でも芳香を放ちながら花を咲かせる、冬の季語としてふさわしい植物です。
水仙や白き障子のとも映り(芭蕉)
水仙の香やこぼれて雪の上(千代女)
家ありてそして水仙畑かな(一茶)
 スイセンといえば、自分の姿に見とれて花と化したナルキッソスの話が有名ですが、中国では別名の女史花について、こんな話もあります。
「昔、長離橋というところに姚姥と呼ばれる文才に優れた女性がいた。ある11月の大寒の夜半、星が地に落ちて一叢の水仙となり、その香りがかんばしく、摘んで食べた夢を見た。そこで目が覚め、それからしばらくして一女を生んだ。その娘も文才に富み、母の夢にちなんで観星女史と呼ばれた。以来、その娘の名にちなんで水仙を女史花と呼ぶようになったという。」
この話ではスイセンを食べていますが、実際は有毒植物です。

第12問

問題
昔、中国四川省の山岳部に棲む羊が繁殖期になると、次々と交尾するのを見て何を食べているのかと不思議に思い、後をつけて見るとこの草を食べていたと言われ「淫羊(いんようかく)」と付けました。
強壮剤としても知られる漢方薬となるこの植物はどれでしょう。
  • 1イカリソウ
  • 2リンドウ
  • 3アマドコロ
  • 4シヤクヤク
問題画像1
正解1イカリソウ
解説
本州、四国の里山の樹陰に自生する多年草で20〜40cm程で群生します。
中国の本草網目(ほんぞうこうもく)(16世紀)に「このを食べて1日100回交合す」とあり、淫羊の漢名が生まれたと言われます。
葉柄は3つに分かれ更に3枚の葉をつけることから三枝九葉草(さんしくようそう)の別名があり、花の形が船の錨に似ていることからイカリソウの名前がつきました。
滋養強壮、疲労回復などの効果があるため茎葉が、薬用酒や栄養ドリンクに使われています。
解説画像1

第13問

問題
原生地は地中海沿岸地方から西南アジア地方で、約40種ほどの仲間が知られています。秋に植え、春に咲く球根植物ですが、この植物の総称は何でしょうか?
  • 1ヒヤシンス
  • 2ムスカリ
  • 3クロッカス
  • 4アネモネ
問題画像1
正解2ムスカリ
解説
キジカクシ科(旧ユリ科)に属する球根植物です。植付けは9月下旬から11月上旬に行います。大球なら5号鉢に3球くらい植えると形が整います。花壇や大型プランターでは球間10~15cm植えで10~20球の群生にすると見映えがします。種や品種も多く、ルリムスカリ(和名)をはじめフサムスカリ、クロムスカリなどもあります。
酸性土壌をきらうので、苦土石灰や消石灰を多めに施すと花色、育ちともよくなります。2月に肥料を与え、3月中旬から5月上旬に開花します。葉長の半分が黄変したら掘り上げ、十分に乾かして貯蔵します。
イラク北部のシャニダール洞窟の発掘の際に、地層から発見されたネアンデルタール人遺骨周辺の土から大量の花粉が発見されました。その中にムスカリ属などが同定されたという論文が1968年に発表されています。

第14問

問題
平安時代に紫式部が書いた「源氏物語」には、植物名を冠した巻名や女性名がいくつかあります。第1巻は、主人公光源氏の生みの母が登場します。彼女は中庭(壺)にある植物が植えられていた所に住んでいたので(A)の更衣と称されました。(A)内にあてはまる語を下から1つ選んで番号で答えてください。
  • 1梨壺
  • 2藤壺
  • 3梅壺
  • 4桐壺
正解4桐壺
解説
平安時代、天皇の居所であった内裏の中に、女御・更衣などの居住した五つの殿舎があり、その一つに淑景舎(しげいさ)がありました。中庭に桐が植えられていたので、桐壷と呼ばれていました。源氏物語の主人公である光源氏の母はここに住んでいたので「桐壷の更衣」と呼ばれました。低い身分(更衣)ながら天皇に愛されたので、多くの女御・更衣たちから嫉妬されいじめられて、光源氏が3歳のころ、若くしてこの世を去ってしまいました。
 なお「源氏物語」の作者である紫式部と同時代に「枕草子」を書いた清少納言がおりました。彼女の父親である清原元輔は、梨壺で5人の歌人と「後撰集」を撰したので「梨壺の五人」と称されています。

第15問

問題
高さ1m内外の常緑低木で、葉の縁にあるとげが特徴です。早春に黄色い花が穂になって咲きますが、この花の雄しべに触れると動くという面白い性質があります。
この植物は何でしょうか?
  • 1ヒイラギモクセイ
  • 2ハリエンジュ
  • 3ヒイラギナンテン
  • 4ハリギリ
問題画像1
正解3ヒイラギナンテン
解説
ヒイラギナンテンは、ナンテンと同じメギ科の常緑低木です。中国・台湾が原産地で、日本には1680年代に渡来したとされています。葉は羽状複葉で、小葉はヒイラギの葉に似てとげがあります。姿がおもしろく背も高くならないので、よく庭園に植えられます。青い実もとても美しいです。
花は直径7mmほどで、花弁にそって6本の雄しべが広がっています。雄しべの糸の部分に触れると、一瞬にして雌しべにぴたっとくっつきます。接触刺激を受けると、雄しべの内側に並ぶ細胞から水分が急激に外に出されてしぼみ、雄しべが雌しべの方向に曲がるのです。花に虫がとまった瞬間に雄しべが動けば、虫の体に花粉がつき、また虫を雌しべに押しつけて運んできた花粉をもらうことができます。

第16問

問題
この植物はホドイモ(又はアピオス)といって、このように美しい花が咲き地下に塊根という芋状のものを着けます。巷に多く流通しているものではありませんが、芋を焼いて酒のつまみにしたり楽しみます。
この植物ホドイモは何科に分類されるか下の4つの選択肢から選んでください。
  • 1サトイモ科
  • 2ナス科
  • 3マメ科
  • 4ヒルガオ科
問題画像1
正解3マメ科
解説
ホドイモ(又はアメリカホドイモ)はアピオスともいって、マメ科ホドイモ属の植物です。北海道から九州まで、及びで中国の温帯から暖帯に分かれます。
今でも秋田・宮城など東北地方、鳥取、栃木などでも栽培され趣味人の酒肴として喜ばれています。
尚 サトイモはサトイモ科、ジャガイモ科はナス科、サツマイモはヒルガオ科とイモ類は各科にまたがって現代人には無くてはならない食品となっています。

第17問

問題
この植物の若い花芽は春の訪れの象徴にもなっており、あえものなどにして食べますが、そのほろ苦みが旬の味として好まれています。
この植物は何でしょうか?
  • 1ヤマユリ
  • 2カタクリ
  • 3フキ
  • 4スミレ
問題画像1
正解3フキ
解説
フキはキク科の多年草です。春先の花芽が地面でふくらんでくる「ふきのとう」の姿は、春の訪れの象徴として日本の季節感を示す重要な要素で、俳句では初春の季語にもなっています。
フキの葉柄は煮付けると独特の香りがあっておいしいので、人気のある山菜のひとつです。また、刻んでみそと混ぜ、ふきみそとしておつまみやおかずになります。
雌雄異株で雌株は花茎が高さ30cm前後になります。フキの変種のアキタブキ(オオブキ)で北海道では高さ2m前後、直径1mを超える葉をつけるものもあり、傘の代わりにもなります。東京、神奈川などで栽培すると矮化します。

第18問

問題
写真は、ジンチョウゲ科の落葉樹で、早春に薄黄色の花を咲かせます。枝の分かれ方に特徴があり、和紙の原料、特に紙幣の原料に使われることは有名です。
この植物は何でしょうか?
  • 1コウゾ
  • 2ガンピ
  • 3ジンチョウゲ
  • 4ミツマタ
問題画像1
正解4ミツマタ
解説
ミツマタは和紙製紙用の植物としてコウゾ(クワ科)とともに栽培されています。コウゾと違って美しい花を咲かせるので、鮮明な朱色や濃い黄色の花を咲かせる品種が観賞用にも作られています。
3月ごろ筒状の花が多数球形にまとまって咲きます。枝が三つに分岐することから、ミツマタと呼ばれます。
ガンピ(ジンチョウゲ科)は栽培が困難なので自生のものを採取しますが、繊維が良質で高級和紙(雁皮紙)の原料とされています。
繊維を利用できる植物を繊維植物といい、ワタやアサはその代表です。種子の表皮細胞が伸びた毛(ワタなど)、茎の篩部の繊維細胞(ミツマタ、アサなど)、茎の木部の繊維細胞(エゾマツ、トドマツ)など、利用する繊維組織は多様です。

第19問

問題
落葉樹林の林床に生える落葉樹で、花は早春に咲きます。この植物から作られた楊枝は、よく和菓子に添えて出されます。
この植物は何でしょうか?
  • 1シロダモ
  • 2シロモジ
  • 3ニッケイ
  • 4クロモジ
問題画像1
正解4クロモジ
解説
クスノキ科の落葉樹で、材には特有の芳香があります。樹皮上の黒色の斑点を文字に見立てたことが名の由来といわれています。クロモジを皮つきのまま削り出した楊枝もクロモジの名で呼ばれ、楊枝の代名詞となっています。長さや形はいろいろあり、和菓子を食べるのに添えられたり、取り箸や飾り串などに利用されています。

第20問

問題
この桜は、10月から1月頃にかけて花が咲き、厳しい冬の間は休んで、春の暖かさが戻ってくると再び花を咲かせます。花びらは20枚から50枚と多く、花色は白から薄紅色に変わります。何という名の桜でしょうか?
  • 1フユザクラ '冬桜'
  • 2シキザクラ '四季桜'
  • 3ジュウガツザクラ '十月桜'
  • 4コブクザクラ '子福桜'
問題画像1
正解4コブクザクラ '子福桜'
解説
秋から春にかけて咲く桜の中でも、コブクザクラは花びらの数も多く、花色が濃く変化するなど、見ごたえのある桜です。花には雌しべが複数あるため、時には二つのサクランボがくっついたように実る事から、「子福桜」と名づけられました。
シキザクラもフユザクラも秋から春にかけて咲く桜ですが、花びらは5枚です。
ジュウガツザクラ秋から春まで咲きますが、花弁は10から20枚で雌しべが長く突き出ます。花びらが散らないので、ずっと満開が続いているように見えます。