花みどりミニ検定第192回 (2025/11/01~2025/11/30)
前回の解答と解説
第1問
問題
本州中部地方から北海道までの山地に自生する日本特産種で、花が大きく美しいので、欧米の植物愛好者からも注目されています。
この植物は何でしょうか?
この植物は何でしょうか?
- 1トガクシショウマ
- 2ヤマシャクヤク
- 3ムラサキ
- 4シラネアオイ
正解4シラネアオイ
解説
シラネアオイは、本州中部地方から北海道の深山に自生し、手つかずのブナ林などでは大群落をなしますが、年々そのような場所が鹿の食害などにより減少しています。
この植物は、以前はキンポウゲ科に含めていましたが、キンポウゲ科の植物とは逆に、雄しべが内側から外側に熟すことや、キンポウゲ科にはないクマリン骨格を持つ物質を豊富に含むこと、染色体数の違いなどからシラネアオイ科として独立させるようになってきました。
欧米の植物愛好家にも早くから注目されて、スイスやイギリスなどの園芸カタログに掲載され、種子や苗が市販されています。
トガクシショウマ(メギ科)も日本特産種で、本州中部から、青森県の白神山地まで分布しています。ヤマシャクヤク(ボタン科)は白花で比較的低山に見られる上品な植物です。ムラサキ(ムラサキ科)は万葉植物として有名ですが、環境の変化でほとんど絶滅寸前に近い状態です。
この植物は、以前はキンポウゲ科に含めていましたが、キンポウゲ科の植物とは逆に、雄しべが内側から外側に熟すことや、キンポウゲ科にはないクマリン骨格を持つ物質を豊富に含むこと、染色体数の違いなどからシラネアオイ科として独立させるようになってきました。
欧米の植物愛好家にも早くから注目されて、スイスやイギリスなどの園芸カタログに掲載され、種子や苗が市販されています。
トガクシショウマ(メギ科)も日本特産種で、本州中部から、青森県の白神山地まで分布しています。ヤマシャクヤク(ボタン科)は白花で比較的低山に見られる上品な植物です。ムラサキ(ムラサキ科)は万葉植物として有名ですが、環境の変化でほとんど絶滅寸前に近い状態です。
第2問
問題
球根植物は、春に植えつけるものを「春植え球根類」、秋に植えるものを「秋植え球根類」ということがありますが、次の中で「春植え球根類」はどれでしょうか?
- 1チューリップ
- 2スイセン
- 3ヒアシンス
- 4ダリア
正解4ダリア
解説
ダリアはメキシコ、グアテマラの熱帯高地原産のキク科球根(塊根)植物です。耐寒性が弱いため、冬の間、厳しい寒さにあうと球根が枯死します。一般的にダリアの栽培は、春に塊根を植えつけ、夏?秋に花を楽しみ、晩秋に塊根を掘り上げて、防寒、貯蔵して、越冬させます。ただし、暖地では塊根を掘り上げず、土寄せ程度で越冬させることができます。
なお、チューリップやスイセン、ヒアシンスは、秋に植えつけた後、一定の期間、冬の寒さを経験することによって、春暖かくなってから花を咲かせることができます。
なお、チューリップやスイセン、ヒアシンスは、秋に植えつけた後、一定の期間、冬の寒さを経験することによって、春暖かくなってから花を咲かせることができます。
第3問
問題
山地の沢沿いにはえる大きな木で、初夏に咲く白い花は遠くからでも目立ちます。材は木鉢やしゃもじ、盆といった木製品にもよく使われます。
この植物は何でしょうか?
この植物は何でしょうか?
- 1トチノキ
- 2ミズキ
- 3カツラ
- 4ブナ
正解1トチノキ
解説
トチノキはブナ帯の沢沿いに自生しますが、時に意識的に植えられたこともある山地の有用な樹木です。
大きな葉は掌状葉で7から9に全裂しています。花は初夏に咲き、香りのよい淡く透明感のある上質のハチミツが得られます。養蜂家がこの花の開花にしたがって日本列島を北上して行きます。トチの実はサポニンを含んでおり、そのままでは舌がビリビリしてとても食べられません。煮たり、水にさらして渋抜きすることによって食用になります。
材は比較的柔らかく、色は白です。中心は濃褐色で、普通この部分は使いません。岐阜県春慶塗の木地、広島県宮島のしゃもじと、全国各地でこの木が使われています。材は散孔材といって木目のはっきりしないおとなしい木目でですが、虎斑杢と呼ばれる特殊な木目が出ることがあります。これは特に美しいために、木目を生かした工芸品に使われます。
大きな葉は掌状葉で7から9に全裂しています。花は初夏に咲き、香りのよい淡く透明感のある上質のハチミツが得られます。養蜂家がこの花の開花にしたがって日本列島を北上して行きます。トチの実はサポニンを含んでおり、そのままでは舌がビリビリしてとても食べられません。煮たり、水にさらして渋抜きすることによって食用になります。
材は比較的柔らかく、色は白です。中心は濃褐色で、普通この部分は使いません。岐阜県春慶塗の木地、広島県宮島のしゃもじと、全国各地でこの木が使われています。材は散孔材といって木目のはっきりしないおとなしい木目でですが、虎斑杢と呼ばれる特殊な木目が出ることがあります。これは特に美しいために、木目を生かした工芸品に使われます。
第4問
問題
中国原産のハンカチノキ。その名の由来となった大きなひらひらとした白い部分は何でしょうか?
- 1花芽
- 2総苞
- 3花びら
- 4果実
正解2総苞
解説
ハンカチノキは中国固有の植物で、日本では観賞用に植えられており、各地の植物園で開花個体を見ることができます。特徴であるハンカチのような大きな白色の部分は、たくさんの花が集まった花序を包む、総苞と呼ばれるものです。二枚の大きな総苞片の間にはたくさんの雄花と一つの両性花または雌花が鞠状に集まった花序があります。
このように総苞片が花びら状になる現象はハナミズキやドクダミなど、さまざまな植物で知られています。
別名ダヴィディアとも呼ばれますが、これは属名のDavidiaによるもので、発見者のフランス人ダヴィッド神父の名前にちなんだものです。ダヴィッド神父は中国を探検し、ハンカチノキやジャイアントパンダなど、中国の珍しい動植物をヨーロッパに紹介したことで知られています。
このように総苞片が花びら状になる現象はハナミズキやドクダミなど、さまざまな植物で知られています。
別名ダヴィディアとも呼ばれますが、これは属名のDavidiaによるもので、発見者のフランス人ダヴィッド神父の名前にちなんだものです。ダヴィッド神父は中国を探検し、ハンカチノキやジャイアントパンダなど、中国の珍しい動植物をヨーロッパに紹介したことで知られています。
第5問
問題
ラッカセイは種子に胚乳がありません。ラッカセイと同じように種子に胚乳のない植物は次のうちどれでしょう?
- 1カキ
- 2ヒマワリ
- 3イネ
- 4トウモロコシ
正解2ヒマワリ
解説
種子には有胚乳種子と無胚乳種子とがあります。カキ、イネ、トウモロコシなどは胚乳のある有胚乳種子で、ヒマワリ、マメ類、クリなどは胚乳のない無胚乳種子です。
無胚乳種子も種子ができる途中には胚乳をつくりますが、胚が種子のなかにできあがってくると、吸収されてなくなってしまいます。このように無胚乳種子は、子葉に養分をたくさんたくわえることから子葉種子ともいいます。
ラッカセイは、南アメリカ原産のマメ科の1年生の作物です。日本には18世紀に中国から伝えられました。5月に種子をまくと、7月初めに黄色い花を咲かせます。花は一日花で受精すると子房の柄が伸びて、地中にもぐり、そこで子房がふくらんでラッカセイの実になります。花弁が発達しない地中花も咲かせ、これも実になります。食用部分は子葉です。ラッカセイやインゲンマメなどは、子葉が地上に現れ光合成もおこない、成長の活発な部分に養分を供給しますが、アズキやエンドウなどの子葉は、地上に現れないので地中子葉といいます。
無胚乳種子も種子ができる途中には胚乳をつくりますが、胚が種子のなかにできあがってくると、吸収されてなくなってしまいます。このように無胚乳種子は、子葉に養分をたくさんたくわえることから子葉種子ともいいます。
ラッカセイは、南アメリカ原産のマメ科の1年生の作物です。日本には18世紀に中国から伝えられました。5月に種子をまくと、7月初めに黄色い花を咲かせます。花は一日花で受精すると子房の柄が伸びて、地中にもぐり、そこで子房がふくらんでラッカセイの実になります。花弁が発達しない地中花も咲かせ、これも実になります。食用部分は子葉です。ラッカセイやインゲンマメなどは、子葉が地上に現れ光合成もおこない、成長の活発な部分に養分を供給しますが、アズキやエンドウなどの子葉は、地上に現れないので地中子葉といいます。
第6問
問題
ユネスコの世界自然遺産に登録されている屋久島のスギとともに広く生育している、明るい赤褐色のなめらかな樹皮が特徴的な落葉樹は何でしょうか?
- 1ユズリハ
- 2ヒメシャラ
- 3アカギ
- 4ホオノキ
正解2ヒメシャラ
解説
ヒメシャラはツバキ科の落葉高木で、関東から九州(屋久島まで)の主に太平洋側のブナ林などに生育しています。
ところどころ古い樹皮のはがれた跡のある、明るい赤褐色のなめらかな樹皮が特徴で、公園にもしばしば植えられ、白い花を初夏に咲かせます。屋久島ではスギ林でよくみられ、直径1mもの大木もめずらしくありません。
選択肢のうち、ユズリハも屋久島のスギ林に生えますが、常緑樹で、樹皮は明るい赤褐色にはなりません。ホオノキは北海道から九州に自生する落葉樹ですが、屋久島には分布しません。アカギは赤褐色の樹皮を持ちますが、南西諸島、小笠原諸島に分布する常緑樹です。
ところどころ古い樹皮のはがれた跡のある、明るい赤褐色のなめらかな樹皮が特徴で、公園にもしばしば植えられ、白い花を初夏に咲かせます。屋久島ではスギ林でよくみられ、直径1mもの大木もめずらしくありません。
選択肢のうち、ユズリハも屋久島のスギ林に生えますが、常緑樹で、樹皮は明るい赤褐色にはなりません。ホオノキは北海道から九州に自生する落葉樹ですが、屋久島には分布しません。アカギは赤褐色の樹皮を持ちますが、南西諸島、小笠原諸島に分布する常緑樹です。
第7問
問題
ムラサキサギゴケは、接触刺激を与えるとある運動をすることで知られています。それはどのような運動でしょうか?
- 1葉をさわると、葉を閉じる
- 2茎をさわると、茎が曲がる
- 3花をさわると、花びらが落ちる
- 4めしべの先をさわると、めしべの先が閉じる
正解4めしべの先をさわると、めしべの先が閉じる
解説
動かないイメージのある植物ですが、接触などの刺激に対して敏速な運動が観察できる植物もあります。ムラサキサギゴケはめしべの先(柱頭)が上下に分かれて口を開いたようになっています。この先を細いペン先のようなものでさわると、柱頭の先が見る間に閉じます。
これは柱頭運動と呼ばれ、昆虫が花にとまったときに、昆虫の体に付着していた他の花の花粉をとらえるしくみと考えられています。花壇などに植えられるトレニアでも同様の柱頭運動を観察することができます。
選択肢で葉をさわると葉が閉じる植物としてはオジギソウが有名です。また、肉眼でとらえられるほどの速さではありませんが、茎がさわった物の方向に曲がるのは支柱に巻きつくつる植物の運動です。オオイヌノフグリは花をさわると、簡単に花びらが落ちます。これは受粉した花の花びらを落として、受粉していない花を目立たせるためであると考えられています。
これは柱頭運動と呼ばれ、昆虫が花にとまったときに、昆虫の体に付着していた他の花の花粉をとらえるしくみと考えられています。花壇などに植えられるトレニアでも同様の柱頭運動を観察することができます。
選択肢で葉をさわると葉が閉じる植物としてはオジギソウが有名です。また、肉眼でとらえられるほどの速さではありませんが、茎がさわった物の方向に曲がるのは支柱に巻きつくつる植物の運動です。オオイヌノフグリは花をさわると、簡単に花びらが落ちます。これは受粉した花の花びらを落として、受粉していない花を目立たせるためであると考えられています。
第8問
問題
梅雨の時期に花を咲かせる多年草で、品種改良されて園芸植物として発達しました。江戸系、肥後系、伊勢系など地域によって独特な品種群があります。
この植物は何でしょうか?
この植物は何でしょうか?
- 1シャクヤク
- 2カキツバタ
- 3ハナショウブ
- 4キキョウ
正解3ハナショウブ
解説
ハナショウブは日本各地に分布するノハナショウブが園芸化された品種で、江戸時代に数多くの品種が作られました。『画本 野山草』(橘保国、1755年・宝暦5年)には「色数百種あり ことごとく書きつくされず」とあり、このころには多数の品種が知られていたようです。
品種改良の目標が異なっていたため、育成地によって江戸系、肥後系、伊勢系と呼ばれる独特の園芸品種群が生まれました。江戸系は多くの株を地植えにして、群生する美しさを観賞することを主たる目的に改良され、色彩や花形に変化が多い系統です。肥後系は、もともと、鉢植えで育てた株を室内で観賞してきたもので、個々の草姿や花形などが重視されました。伊勢系は花被片が垂れ下がるものが多いという特徴があります。最近では海外でも人気が高まり、系統の枠を超えた品種改良が国内外でおこなわれています。また、ハナショウブには黄色の花色がないことからキショウブとの種間交雑により、黄色系の品種も作り出されています。
品種改良の目標が異なっていたため、育成地によって江戸系、肥後系、伊勢系と呼ばれる独特の園芸品種群が生まれました。江戸系は多くの株を地植えにして、群生する美しさを観賞することを主たる目的に改良され、色彩や花形に変化が多い系統です。肥後系は、もともと、鉢植えで育てた株を室内で観賞してきたもので、個々の草姿や花形などが重視されました。伊勢系は花被片が垂れ下がるものが多いという特徴があります。最近では海外でも人気が高まり、系統の枠を超えた品種改良が国内外でおこなわれています。また、ハナショウブには黄色の花色がないことからキショウブとの種間交雑により、黄色系の品種も作り出されています。
第9問
問題
次の植物の性質のうち、間違っているものはどれでしょうか?
- 1サツマイモの芋は「根」
- 2ジャガイモの芋は「地下茎」
- 3ヤマノイモの芋は「根」
- 4ダリアの球根は「根」
正解3ヤマノイモの芋は「根」
解説
ヤマノイモのいもは根ではありません。地下部は、根が肥大したいものようにみえ、胆根体といわれていましたが、現在は茎の基部(下胚軸を含む)が側方に肥大成長してできた貯蔵器官とみられています。その根拠として、根にみられる根冠がない、維管束の配列が単子葉植物の茎と同じ、細かく切断してもジャガイモのように芽をふくなどの点があげられます。
ヤマノイモはとろろ汁や山かけなど生食するほか、焼いたり蒸したりするなど他のイモ類と同じ調理法でも食べます。また、鹿児島県の郷土菓子カルカン等の菓子や魚肉の練り製品の原料としても用いられます。
ヤマノイモはとろろ汁や山かけなど生食するほか、焼いたり蒸したりするなど他のイモ類と同じ調理法でも食べます。また、鹿児島県の郷土菓子カルカン等の菓子や魚肉の練り製品の原料としても用いられます。
第10問
問題
江戸時代に記された『遊歴雑記』には、当時の名木・奇木の見学記が紹介され、その中で「縁切【 】」と呼ばれる樹木が登場します。
それは次のうちのどれでしょうか?
それは次のうちのどれでしょうか?
- 1サクラ
- 2ヤナギ
- 3ケヤキ
- 4エノキ
正解4エノキ
解説
エノキは山地に生え、大きいものは高さ約25m、幹の直径が約1.5mにもなる落葉高木です。昔は一里塚によく植えられる木として知られていました。『遊歴雑記』に紹介された評判の「縁切榎」は豊島郡・板橋にあり(現在は東京都板橋区本町)、今もその姿を見ることができます。ただし、更新のために何度か植え替えられ、現在は3代目となっています。当時、その木の皮を水で煎じて、別れたいと思う相手に知られることなく飲ませることが出来れば、縁を切りたい相手と必ず別れられる、その効果は「神の如し」とまで言われたそうです。女性の側からは離縁することが難しかった時代、「悪縁」に悩む女性やその親族は、わらにもすがる思いで、この「縁切榎」を試したことでしょう。
第11問
問題
「緑のそよ風 いい日だね 蝶々もひらひら 豆の花……」で始まる『緑のそよ風』の歌は、春の新緑の頃の子供たちの情景を歌った曲です。
この中の「豆の花」とは、何の植物でしょうか?
この中の「豆の花」とは、何の植物でしょうか?
- 1エンドウ
- 2ラッカセイ
- 3クズ
- 4ハギ
正解1エンドウ
解説
新緑のころ、春から初夏にかけて咲く豆の花の代表は、エンドウやソラマメです。秋10月ごろに種をまき、5月ごろの収穫となります。とくに、後半の歌詞「七色畑に、妹の つまみ菜 摘む手が 可愛いな」と続く内容からは、たくさんの種類の野菜が栽培されている野菜畑が目に浮かんできます。ほかにも、シロツメクサ、スイートピー、フジ、カラスノエンドウなど、この時期に咲くマメ科の植物(クローバー)が多くありますが、畑の豆の花というイメージではありません。
ラッカセイは、4月、5月に種まきし、夏に開花し、秋に収穫する豆です。アズキは地上にさやをつくりますが、ラッカセイは土中にさやができる変わった生活特性をもっています。クズ、ハギはマメ科の植物ですが、いずれも秋の七草で立秋を過ぎてからの開花がふつうです。
ラッカセイは、4月、5月に種まきし、夏に開花し、秋に収穫する豆です。アズキは地上にさやをつくりますが、ラッカセイは土中にさやができる変わった生活特性をもっています。クズ、ハギはマメ科の植物ですが、いずれも秋の七草で立秋を過ぎてからの開花がふつうです。
第12問
問題
アフリカ原産で、その果実は粘質物を含み、これを用いて作るガンボスープは、アフリカにルーツをもつ、アメリカ南部の料理です。
この植物は何でしょうか?
この植物は何でしょうか?
- 1モロヘイヤ
- 2オクラ
- 3アシタバ
- 4ヘチマ
正解2オクラ
解説
オクラは、アフリカ北東部を原産とするアオイ科の一年草です。2,000年前のエジプトではすでに栽培されていたといわれており、今日ではアメリカやヨーロッパで盛んに栽培されています。英名ではオクラokra、フランス名ではガンボgomboといいます。
オクラの葉は大型で互生し、掌状に3〜5つに深裂します。花は夏に咲き、花弁は5枚、黄色で中心部が赤く、明け方近くに開き、午後にしぼむ一日花です。
オクラを食用として使うのは、開花後5〜10日程度の未熟な果実です。果実は緑色で細長く5稜があり、輪切りにするとその切り口は、5角の特異な形をしています。果実の表面は細かい毛でおおわれており、果肉は独特のねばりを有します。粘質物の主成分は、ペクチン、ガラクタン、アラバンなどの多糖質で、納豆のようによくねばります。未熟なものほどねばりが強く、成熟に伴いねばりはなくなります。オクラにはカロチン、ビタミンB1、B2、C、E、カルシウム、鉄などがふくまれています。料理では生のままや、ゆでたり、天ぷらにしたり、あるいはスープ、シチューなどに入れて食べます。オクラに魚介類やトマト、コメなどを加えて、多くのスパイスで味を調えたスープを、アメリカではガンボスープと呼んでいます。
オクラの葉は大型で互生し、掌状に3〜5つに深裂します。花は夏に咲き、花弁は5枚、黄色で中心部が赤く、明け方近くに開き、午後にしぼむ一日花です。
オクラを食用として使うのは、開花後5〜10日程度の未熟な果実です。果実は緑色で細長く5稜があり、輪切りにするとその切り口は、5角の特異な形をしています。果実の表面は細かい毛でおおわれており、果肉は独特のねばりを有します。粘質物の主成分は、ペクチン、ガラクタン、アラバンなどの多糖質で、納豆のようによくねばります。未熟なものほどねばりが強く、成熟に伴いねばりはなくなります。オクラにはカロチン、ビタミンB1、B2、C、E、カルシウム、鉄などがふくまれています。料理では生のままや、ゆでたり、天ぷらにしたり、あるいはスープ、シチューなどに入れて食べます。オクラに魚介類やトマト、コメなどを加えて、多くのスパイスで味を調えたスープを、アメリカではガンボスープと呼んでいます。
第13問
問題
秋に楕円形の黄色の果実が熟し、その表面は、無毛でつるりとしています。果実酒の材料として人気があり、せきどめに効果があるといわれています。
この植物は何でしょうか?
この植物は何でしょうか?
- 1アンズ
- 2カリン
- 3マルメロ
- 4ビワ
正解2カリン
解説
カリンは中国原産で、日本へは江戸時代に渡来したといわれています。近年庭園樹木としても人気が高く、のどの整調治療の薬品にもカリンが使われており、馴染みのある植物となってきました。
カリンは中国家具の材料としては紫檀よりも安価なのですが、堅く緻密で美しい光沢があるため価値が感じられるようです。
選択肢にあるアンズ、カリン、マルメロ、ボケ、ビワはすべてバラ科の植物です。カリンとマルメロはよく似ていますが、果実の表面にうぶ毛があるのがマルメロ、ないのがカリンです。
カリンは中国家具の材料としては紫檀よりも安価なのですが、堅く緻密で美しい光沢があるため価値が感じられるようです。
選択肢にあるアンズ、カリン、マルメロ、ボケ、ビワはすべてバラ科の植物です。カリンとマルメロはよく似ていますが、果実の表面にうぶ毛があるのがマルメロ、ないのがカリンです。
第14問
問題
青森県の三内丸山遺跡から、巨大な木柱が見つかり「大型掘立柱建物」跡ではないか、として話題となりました。
この植物は何でしょうか?
この植物は何でしょうか?
- 1クリ
- 2クルミ
- 3カキ
- 4クヌギ
正解1クリ
解説
クリは北海道の中部以南から九州までと、朝鮮半島南部に分布する、ブナ科の落葉広葉樹です。
縄文時代から重要な食糧として利用され、平安時代には丹波、但馬などから朝廷に貢納されていました。また、戦国時代には実を干して臼でつき、殻と渋皮をとり除いたものを「かちぐり」といったことから、勝利への縁起をかついで兵糧として特に大切にしました。
クリ材は堅く腐りにくいので、枕木をはじめ建築や器具材に用いられます。三内丸山遺跡が一般に注目されるきっかけとなったのが、直径1mをこえるクリの巨大木柱です。
縄文時代から重要な食糧として利用され、平安時代には丹波、但馬などから朝廷に貢納されていました。また、戦国時代には実を干して臼でつき、殻と渋皮をとり除いたものを「かちぐり」といったことから、勝利への縁起をかついで兵糧として特に大切にしました。
クリ材は堅く腐りにくいので、枕木をはじめ建築や器具材に用いられます。三内丸山遺跡が一般に注目されるきっかけとなったのが、直径1mをこえるクリの巨大木柱です。
第15問
問題
写真は、オレンジポマンダーといわれるもので、オレンジにクローブと呼ばれるある植物の乾燥したつぼみをさしたものです。
この植物は何でしょうか?
この植物は何でしょうか?
- 1チョウジノキ
- 2ゲッケイジュ
- 3ボダイジュ
- 4マングローブ
正解1チョウジノキ
解説
ポマンダーとは本来、金や銀の透かし彫りをした小さな容器に麝香などの練り物を入れた厄除け、魔除けのためのお守りです。中世ヨーロッパではペストなどの流行病から身を守るために、あるいはにおい消しとして持ち歩いていたそうです。
それを果物で作ったのが出題のポマンダーです。開花直前のつぼみをがくとともにつみ取って乾燥させたクローブ(丁子)を使用します。クローブは紀元前から強力な殺菌・消臭に注目され、スパイスとして利用されてきました。現代ではポマンダーは香りのインテリアやにおい消しとして楽しまれています。
オレンジポマンダーの作り方
〓 まず、オレンジに十字にリボン(12mm幅)をかけます。下は待ち針などをさしてずれないようにし、上はつるして乾燥させやすいよう輪を作っておきます。
〓次にリボンに沿って竹串などで穴をあけながらクローブをさし込んでいきます。オレンジが乾燥すると3/4くらいになりますから、すき間なくクローブをさすと浮いて抜けてきてしまいます。クローブとクローブの間に竹串が1本くらい(2mm)入るすき間をあけてさしていきます。
〓 そのまま乾燥させてもよいですし、ナツメグやシナモンなど好みの香辛料の粉を入れたビニール袋の中で転がせて香りづけをしてから乾燥させてもよいです。
〓 風通しの良い場所で1ヵ月くらい、カチカチになるまで乾燥させたら、リボンを9mm幅に替え、上部にもリボンなどをデコレーションして完成です。
それを果物で作ったのが出題のポマンダーです。開花直前のつぼみをがくとともにつみ取って乾燥させたクローブ(丁子)を使用します。クローブは紀元前から強力な殺菌・消臭に注目され、スパイスとして利用されてきました。現代ではポマンダーは香りのインテリアやにおい消しとして楽しまれています。
オレンジポマンダーの作り方
〓 まず、オレンジに十字にリボン(12mm幅)をかけます。下は待ち針などをさしてずれないようにし、上はつるして乾燥させやすいよう輪を作っておきます。
〓次にリボンに沿って竹串などで穴をあけながらクローブをさし込んでいきます。オレンジが乾燥すると3/4くらいになりますから、すき間なくクローブをさすと浮いて抜けてきてしまいます。クローブとクローブの間に竹串が1本くらい(2mm)入るすき間をあけてさしていきます。
〓 そのまま乾燥させてもよいですし、ナツメグやシナモンなど好みの香辛料の粉を入れたビニール袋の中で転がせて香りづけをしてから乾燥させてもよいです。
〓 風通しの良い場所で1ヵ月くらい、カチカチになるまで乾燥させたら、リボンを9mm幅に替え、上部にもリボンなどをデコレーションして完成です。
第16問
問題
次のうち、秋の七草ではないものが一つあります。どれでしょうか?
- 1オミナエシ
- 2ハギ
- 3クズ
- 4ナズナ
正解4ナズナ
解説
1.オミナエシは秋の七草でそのままの名で出ています。
2.ハギは秋の七草でそのままの名で出ています。
3.クズは秋の七草でそのままの名で出ています。
4.ナズナは春の七草に出ていますが秋にはありません。
春の七草の風習がいつごろ始まったのか定かでないのに対して、秋の七草は『万葉集』に記されています。
『万葉集』巻8-1537で山上憶良により「秋の野に 咲きたる花を 指折り かき数ふれば 七種の花」と詠まれ、続いて「はぎの花 尾花 葛花 なでしこが花をみなへしまた藤袴 朝顔の花」(巻8-1538)がうたわれています。
2.ハギは秋の七草でそのままの名で出ています。
3.クズは秋の七草でそのままの名で出ています。
4.ナズナは春の七草に出ていますが秋にはありません。
春の七草の風習がいつごろ始まったのか定かでないのに対して、秋の七草は『万葉集』に記されています。
『万葉集』巻8-1537で山上憶良により「秋の野に 咲きたる花を 指折り かき数ふれば 七種の花」と詠まれ、続いて「はぎの花 尾花 葛花 なでしこが花をみなへしまた藤袴 朝顔の花」(巻8-1538)がうたわれています。
第17問
問題
写真の植物と同じ科の植物はどれでしょうか?
- 1ニンジン
- 2ゴボウ
- 3ナズナ
- 4ホウレンソウ
正解3ナズナ
解説
問題には写真の野菜類にあえて名前を付けませんでしたが、ワサビ、ブロッコリー、ダイコン、カブ、キャベツで、すべてアブラナ科です。選択肢の中ではナズナだけがアブラナ科です。春の七草の一つで、通称ペンペングサともよばれているおなじみの植物です。ニンジンはセリ科、ゴボウはキク科、ホウレンソウはヒユ科(旧アカザ科)の野菜です。日本で食品として利用されている植物は約250種類で、日本食品標準成分表では穀類(コメ、ムギなど)、マメ類、野菜類、イモ類、果実類、種実類(クリ、シイ、ナッツ類など)、キノコ類、藻類(コンブ、ワカメなど)に大別しています。そのうち野菜類は110種類ほどあります。最近では、いろいろな国から野菜類が輸入されていますので、その種類はますます増加する傾向にあります。110種の野菜類のうち、アブラナ科32種類でアブラナ科植物が圧倒的に多くなっています。
第18問
問題
庭木や生垣としてよく植えられているネズミモチですが、その名前がつけられた理由は何でしょうか?
- 1葉がねずみがかった緑色なので
- 2葉がトゲトゲしており、ネズミを寄せ付けないため
- 3果実をネズミが好んで食べるので
- 4果実の形や色がネズミの糞に似ているので
正解4果実の形や色がネズミの糞に似ているので
解説
ネズミモチはモクセイ科の常緑樹で、南日本の山野に自生しています。あまり大きくは育たないので、生垣に適しています。よく似た種にはトウネズミモチがあり、公園や学校などに植えられています。高さ5〜6mに育ち、緑が濃く緑化樹木として適しています。
初夏に枝先に花穂が出て白色の花が咲き、やがて長楕円状の果実ができ、晩秋には黒紫色に熟して、ちょうどネズミの糞のように見えます。トウネズミモチの花はネズミモチより1ヶ月遅れて咲き、花穂は大型、果穂は重みでたれ下がるのでよく区別できます。果実を薬用酒にして飲む人もいます。
初夏に枝先に花穂が出て白色の花が咲き、やがて長楕円状の果実ができ、晩秋には黒紫色に熟して、ちょうどネズミの糞のように見えます。トウネズミモチの花はネズミモチより1ヶ月遅れて咲き、花穂は大型、果穂は重みでたれ下がるのでよく区別できます。果実を薬用酒にして飲む人もいます。
第19問
問題
果物には一つの花から1個だけできるものが大半ですが、なかにはたくさんの花が集まって1個の果物状になるものもがあります。
次のうち、どれでしょうか?
次のうち、どれでしょうか?
- 1ブドウ
- 2ミカン
- 3バナナ
- 4パイナップル
正解4パイナップル
解説
肉質化(多肉化)した果実のうちで、甘みや酸味が強く、食用になるものを一般に果物と呼んでいます。
果実は、めしべの基部にある子房が発達したものですが、ときにはその周辺にある部分(花床?花托ともいいます?や花弁、がく片、おしべの基部など)と一体となって発達したものもあります。1本のめしべ(子房)から1個の果実ができるのが基本ですが、一つの花の中に複数の分離しためしべがあり、めしべの数だけの果実が集まってちょうど1個の果実状になるもの(集合果)やたくさんの花が一つの塊として咲き、それぞれからできる果実が融合し1個の果実状になるもの(複合果)があります。
ここにあげた5つの果実のうちパイナップル以外は1本のめしべから1個の果実ができるものです。パイナップルの花は、ロゼット状の葉の間から立ち上がった花茎のまわりにぎっしりと螺旋状について、やや細長い球形の肉穂花序をつくります。食べる部分は各花の子房、花床、包葉や花軸が多肉化して融合した果実の集まりである複合果です。外側をよく観察すると、一つ一つの果実が密着して丸菱形になっている様子がわかります(写真)。パイナップルのおもしろい性質は、果実が熟すと果実の先端から再び茎葉が伸びることです。
果実は、めしべの基部にある子房が発達したものですが、ときにはその周辺にある部分(花床?花托ともいいます?や花弁、がく片、おしべの基部など)と一体となって発達したものもあります。1本のめしべ(子房)から1個の果実ができるのが基本ですが、一つの花の中に複数の分離しためしべがあり、めしべの数だけの果実が集まってちょうど1個の果実状になるもの(集合果)やたくさんの花が一つの塊として咲き、それぞれからできる果実が融合し1個の果実状になるもの(複合果)があります。
ここにあげた5つの果実のうちパイナップル以外は1本のめしべから1個の果実ができるものです。パイナップルの花は、ロゼット状の葉の間から立ち上がった花茎のまわりにぎっしりと螺旋状について、やや細長い球形の肉穂花序をつくります。食べる部分は各花の子房、花床、包葉や花軸が多肉化して融合した果実の集まりである複合果です。外側をよく観察すると、一つ一つの果実が密着して丸菱形になっている様子がわかります(写真)。パイナップルのおもしろい性質は、果実が熟すと果実の先端から再び茎葉が伸びることです。
第20問
問題
日本に分布するマツの一種ですが、球果は成熟しても閉じたままで、そのままでは種子が散布されず、マツの種子に通常ついている翼がありません。
この植物は何でしょうか?
この植物は何でしょうか?
- 1アカマツ
- 2イヌマキ
- 3ゴヨウマツ
- 4ハイマツ
正解4ハイマツ
解説
ハイマツは本州中部以北の高山帯に分布し、その名のとおり幹が地表をはって横方向に広がり、上にはあまり伸びません。このため、冬に雪の下に埋まって冷たい空気に直接さらされることがなく、背の高い木が育つことのできない高地でも生育できます。
多くのマツでは、球果がかわいて開くことにより、中の種子が散布されます。こうしたマツの種子には翼があり、風による種子散布に適応しているものがほとんどです。
ハイマツの球果は成熟しても開かないため、自力で種子をばらまくことができません。しかし、成熟した球果はあまり堅くならないため、ホシガラスやライチョウ、リスなど鳥や小型のほ乳類が、好んで食べます。しばしば球果をかみちぎって運んでいき、別の場所で食べたり、ため込んだりします。このとき食べ残した種子や、ため込んだまま忘れられた球果の種子が結果的に散布されることになります。このように、ハイマツの球果は動物による種子散布に適応しているため、種子に翼がなくても不都合はありません。
多くのマツでは、球果がかわいて開くことにより、中の種子が散布されます。こうしたマツの種子には翼があり、風による種子散布に適応しているものがほとんどです。
ハイマツの球果は成熟しても開かないため、自力で種子をばらまくことができません。しかし、成熟した球果はあまり堅くならないため、ホシガラスやライチョウ、リスなど鳥や小型のほ乳類が、好んで食べます。しばしば球果をかみちぎって運んでいき、別の場所で食べたり、ため込んだりします。このとき食べ残した種子や、ため込んだまま忘れられた球果の種子が結果的に散布されることになります。このように、ハイマツの球果は動物による種子散布に適応しているため、種子に翼がなくても不都合はありません。





