花みどりミニ検定第185回 (2025/04/01~2025/04/30)
前回の解答と解説
第1問
問題
北欧神話に登場する「宇宙樹」はモクセイ科のある樹木がモデルで、日本ではカイガラムシがよくつき、それを戸の溝に塗って、すべりを良くしたことから名前がついています。
この樹木は何でしょうか?
この樹木は何でしょうか?
- 1ミモザ
- 2トネリコ
- 3ハシドイ
- 4ミソハギ

正解2トネリコ
解説
トネリコは、モクセイ科トネリコ属の落葉高木です。カイガラムシがよくつき白蝋を分泌し、これを練って敷居に塗ると戸がよくすべるようになることから、「戸塗り木」、つまりトネリコと呼ばれるようになったという説があります。
日本では身近な木ですが、西洋文化では、世界の中心に生える宇宙樹として神話に登場しています。遠い昔、天と地と人間の世界を貫いて生える木を、北欧神話ではユグドラシルと呼んでいましたが、この木はセイヨウトネリコといわれています。宇宙樹は、地中からは水を吸い上げ、太陽からは光の恵みを受けて花と実がもたらされ、この木の中において宇宙が永遠に再生をくり返しますといった形をイメージ化したものです。
日本で、トネリコは街路樹として植えられることがあります。また、かつては田のあぜに植えて、刈り取った稲をかけて、乾かすのに利用しました。材質が堅いことから、野球のバットの用材として使われることがあります。
日本では身近な木ですが、西洋文化では、世界の中心に生える宇宙樹として神話に登場しています。遠い昔、天と地と人間の世界を貫いて生える木を、北欧神話ではユグドラシルと呼んでいましたが、この木はセイヨウトネリコといわれています。宇宙樹は、地中からは水を吸い上げ、太陽からは光の恵みを受けて花と実がもたらされ、この木の中において宇宙が永遠に再生をくり返しますといった形をイメージ化したものです。
日本で、トネリコは街路樹として植えられることがあります。また、かつては田のあぜに植えて、刈り取った稲をかけて、乾かすのに利用しました。材質が堅いことから、野球のバットの用材として使われることがあります。
第2問
問題
図版は江戸中期の画家、円山応挙が描いた「郭子儀図」の一部分です。二人の童子がある植物の下で遊んでいますが、この植物は何でしょうか?
- 1ソテツ
- 2クワズイモ
- 3バショウ
- 4シュロ

正解3バショウ
解説
図版の「郭子儀図」は兵庫県香美町の大乗寺客殿に遺る、障壁画の一部です。襖八面に安史の乱を平定した唐時代の武将、郭子儀が童子と遊び戯れる老人の姿で描かれています。写実的画風を根底におきながら、金地に濃彩で琳派などの装飾画の技法とのみごとな調和をみせています。
バショウは日本でも暖地に、とりわけ草姿を楽しむため庭園に植えられる大型の多年草です。根茎は塊状をなして地下にあり、それから多数の葉鞘が巻き重なって、茎のようにみえる偽茎を直立させます。頂部から長さ2m、幅50cmもの大きな葉を四方に広げ、葉身には平行に並ぶ側脈が多く、裂けやすくなっています。夏から秋にかけて、偽茎の上端から花茎を出し、黄色の苞葉に包まれた花序をつけます。
円山応挙(1733〜1795)は初め狩野派の石田幽汀に学び、ついで中国の元・明・清の写生画風を研究、オランダの眼鏡絵から西洋画の透視図法を習得し、写実性と伝統的な装飾性とを巧みに融和させて新様式を樹立しました。
バショウは日本でも暖地に、とりわけ草姿を楽しむため庭園に植えられる大型の多年草です。根茎は塊状をなして地下にあり、それから多数の葉鞘が巻き重なって、茎のようにみえる偽茎を直立させます。頂部から長さ2m、幅50cmもの大きな葉を四方に広げ、葉身には平行に並ぶ側脈が多く、裂けやすくなっています。夏から秋にかけて、偽茎の上端から花茎を出し、黄色の苞葉に包まれた花序をつけます。
円山応挙(1733〜1795)は初め狩野派の石田幽汀に学び、ついで中国の元・明・清の写生画風を研究、オランダの眼鏡絵から西洋画の透視図法を習得し、写実性と伝統的な装飾性とを巧みに融和させて新様式を樹立しました。
第3問
問題
嘆きの木、悲しみの木として扱われることが多く、シェイクスピアの『オセロ』では、夫に疑いをかけられたデズデモーナは自分の死を予感して、この木の歌をうたいます。
この植物は何でしょうか?
この植物は何でしょうか?
- 1ヤナギ
- 2ニレ
- 3カツラ
- 4コブシ

正解1ヤナギ
解説
ヤナギ科ヤナギ属に含まれるヤナギの仲間には多くの種類があり、主に北半球に分布しています。
ヤナギは生活用品や工芸材料として、人の生活とのつながりが深かったため、さまざまなとらえ方がなされてきました。ヨーロッパでは悲しみ、嘆き、ゆううつ、死などが、とくにシダレヤナギと関連づけられてきました。シェイクスピアの戯曲『オセロ』やそれに基づくヴェルディの歌劇『オテロ』の「柳の歌」は有名です。
ヤナギは成長が早いことから、豊かさや生命力、再生などと結びつけられているのは世界共通です。日本ではこのほか、田の神とのつながりをヤナギに求める習わしが古くからあり、『万葉集』にもその例が出ています。日本美術でも、シダレヤナギが題材として好んで取り上げられてきました。
ヤナギは生活用品や工芸材料として、人の生活とのつながりが深かったため、さまざまなとらえ方がなされてきました。ヨーロッパでは悲しみ、嘆き、ゆううつ、死などが、とくにシダレヤナギと関連づけられてきました。シェイクスピアの戯曲『オセロ』やそれに基づくヴェルディの歌劇『オテロ』の「柳の歌」は有名です。
ヤナギは成長が早いことから、豊かさや生命力、再生などと結びつけられているのは世界共通です。日本ではこのほか、田の神とのつながりをヤナギに求める習わしが古くからあり、『万葉集』にもその例が出ています。日本美術でも、シダレヤナギが題材として好んで取り上げられてきました。
第4問
問題
4月8日の「花祭り」にお釈迦様にかけるお茶は植物の葉から作ったものです。
この植物は何でしょうか?
この植物は何でしょうか?
- 1アジサイ
- 2アマヅル
- 3アマチャ
- 4アマクサギ

正解3アマチャ
解説
アマチャはアジサイ科アジサイ属の落葉低木でヤマアジサイの変種とされています。
アマチャの葉にはフィロズルチン配糖体が多く含まれており、発酵・乾燥させると甘みが出るので、これをお茶のように利用します。釈迦の誕生日といわれる4月8日に甘露の雨が降り注いだという伝説から、これを祝う灌仏会では釈迦像に甘茶をかけて祝います。
アジサイはアジサイ科アジサイ属でアマチャの近縁種ですが、食用にはしません。ちなみにアジサイはかつてユキノシタ科に分類されていましたが、現在は独立のアジサイ科とされています。アマヅルはブドウ科ブドウ属の落葉つる性植物で、アマクサギはクマツヅラ科クサギ属、クサギの変種で屋久島など暖地に分布してます。
アマチャの葉にはフィロズルチン配糖体が多く含まれており、発酵・乾燥させると甘みが出るので、これをお茶のように利用します。釈迦の誕生日といわれる4月8日に甘露の雨が降り注いだという伝説から、これを祝う灌仏会では釈迦像に甘茶をかけて祝います。
アジサイはアジサイ科アジサイ属でアマチャの近縁種ですが、食用にはしません。ちなみにアジサイはかつてユキノシタ科に分類されていましたが、現在は独立のアジサイ科とされています。アマヅルはブドウ科ブドウ属の落葉つる性植物で、アマクサギはクマツヅラ科クサギ属、クサギの変種で屋久島など暖地に分布してます。
第5問
問題
マメ科に属する落葉樹で、原産地は朝鮮半島から中国の中部以北です。日本では4〜5m程度の中低木で、公園樹、庭園樹として植栽され、4月ごろ、枝全体に紅紫色の花をつけます。
この植物は何でしょうか?
この植物は何でしょうか?
- 1ベニバナトキワマンサク
- 2ライラック
- 3ハナズオウ
- 4タニウツギ

正解3ハナズオウ
解説
ハナズオウは、マメ科(ハナズオウ属)に属する落葉樹で、マメ科でありながら単葉であることが最大の特徴です。
原産地は朝鮮半島から中国の中部以北です。わが国では4〜5m程度の中低木ですが、原産地の中国では15m前後の高木になります。開花景観が美しく公園樹、庭園樹として植栽されています。4月ごろ、葉が展開する前に紅紫色の花を開花させます。その特徴としては束生した数個〜10個の花が幹や枝から直接出ていることで、幹や枝いっぱいに開花する姿は春の到来を象徴する花木の一つとして好まれています。
原産地は朝鮮半島から中国の中部以北です。わが国では4〜5m程度の中低木ですが、原産地の中国では15m前後の高木になります。開花景観が美しく公園樹、庭園樹として植栽されています。4月ごろ、葉が展開する前に紅紫色の花を開花させます。その特徴としては束生した数個〜10個の花が幹や枝から直接出ていることで、幹や枝いっぱいに開花する姿は春の到来を象徴する花木の一つとして好まれています。
第6問
問題
江戸時代後期の画家酒井抱一とその門下の鈴木其一、中野其明によって描かれた千の花の一つで、ムベです。ムベの漢字は今でも用いられている女性の名前と同じ漢字を当てています。
この漢字名はどれでしょうか?
この漢字名はどれでしょうか?
- 1貴子
- 2郁子
- 3紀子
- 4美子

正解2郁子
解説
図は琳派(俵屋宗達を祖とし、尾形光琳が大成した装飾芸術の流派)の画家酒井抱一(1761〜1828)、鈴木其一(1796〜1858)、中野其明(1834〜92)によって描かれた千の花の中のムベです。
ムベはアケビ科の常緑のつる性常緑木で、関東以西の暖地に自生し、垣根などにからませて庭植えにすることが多いようです。5月ごろに黄色がかった白い花をつけます。秋には暗紫色のアケビに似た実をつけ、食用にもなります。郁子の花は春、実は秋の俳句の季語となっています。
ムベはアケビ科の常緑のつる性常緑木で、関東以西の暖地に自生し、垣根などにからませて庭植えにすることが多いようです。5月ごろに黄色がかった白い花をつけます。秋には暗紫色のアケビに似た実をつけ、食用にもなります。郁子の花は春、実は秋の俳句の季語となっています。
第7問
問題
写真は北海道から九州の山地の林下に生えるセンリョウ科の多年草で、4月から5月にかけて開花します。和名は、この花の形からつけられたのですが、次のどれでしょうか。
- 1レンプクソウ
- 2タツナミソウ
- 3ノビネチドリ
- 4ヒトリシズカ

正解4ヒトリシズカ
解説
ヒトリシズカ(一人静)には、ヨシノシズカ(吉野静)という別称がありますが、これらは源義経が愛した静御前に由来しています。また、マユハキソウ(眉掃草)という別称もあります(広辞苑)。センリョウ科の植物は他の被子植物に比べて、かなり変ったところがあります。ヒトリシズカの花には、花弁はなく、写真の白い部分はオシベ(雄蕊)の花糸(3本)で、その根元に黄色い葯がついています。花糸と葯を合わせたものがオシベということになります。メシベ(雌蕊)は写真のように、雄蕊の付け根あたりにあります。
第8問
問題
日当たりのよい湿った草地に生え、4〜5月に黄色い小さな花が咲き、その後、赤い小さな実をつけます。毒のありそうな名前がついていますが無毒です。
この植物は何でしょうか?
この植物は何でしょうか?
- 1オニゲシ
- 2オトギリソウ
- 3ドクダミ
- 4ヘビイチゴ

正解4ヘビイチゴ
解説
ヘビイチゴは、日本各地の水田の畦や畑、人家の周りの空き地などで、4〜5月に黄色い花をつけ、6月には直径1cmくらいの球形で赤い果実をつけます。オランダイチゴと同様に赤くて丸い集合果をつくり、ふくらんだ花床(花托)の表面についているのが本当の果実です。この集合果は無毒ですが、海綿質で味がなくおいしいとはいえません。和名のヘビイチゴは“ヘビのいるところに生えるイチゴ”もしくは、“ランナーをヘビのように伸ばして地表を這い回るイチゴ”という意味だといわれます。
ヘビイチゴと同じ、黄花のヘビイチゴ属にヤブヘビイチゴがあります。こちらはヘビイチゴに比べ大型で、葉は緑色から暗緑色でやや厚いのが特徴です。果実もヘビイチゴより大きく、直径2cmくらいの真紅色です。痩果も真紅色で表面にしわがなくなめらかでおいしそうに見えますが、この実も無味です。山地に生えるシロバナノヘビイチゴは、名の通り白い花を咲かせ、黄花のヘビイチゴ属ではなく白花のオランダイチゴ属で、赤く熟した果実はおいしく食べられます。
ヘビイチゴと同じ、黄花のヘビイチゴ属にヤブヘビイチゴがあります。こちらはヘビイチゴに比べ大型で、葉は緑色から暗緑色でやや厚いのが特徴です。果実もヘビイチゴより大きく、直径2cmくらいの真紅色です。痩果も真紅色で表面にしわがなくなめらかでおいしそうに見えますが、この実も無味です。山地に生えるシロバナノヘビイチゴは、名の通り白い花を咲かせ、黄花のヘビイチゴ属ではなく白花のオランダイチゴ属で、赤く熟した果実はおいしく食べられます。
第9問
問題
短歌や俳句では、花が咲き終わる様子を独特な言い回しで表現します。そのなかで「崩れる」と表現される花は、何でしょうか?
- 1サクラ
- 2ウメ
- 3ボタン
- 4ツバキ
正解3ボタン
解説
短歌や俳句では、花が咲き終わる様子や花びらの散るさまについて、その花から受ける印象によって独特な表現をします。サクラの花は「散る」、ウメは「こぼれる」、ツバキは「落ちる」などと表現されます。
ボタンの「崩れる」は、大きく美しい花が豪華に咲き誇り、花びらが生気をなくし、そしてばらけて花姿を失う、そんな様子を印象的に表現したものです。 短歌や俳句では、花が咲き終わる様子や花びらの散るさまについて、その花から受ける印象によって独特な表現をします。
雨戸さし昼を人居ぬ家の庭照る白牡丹くづれなむとす (窪田空穂)
真盛の照る日をうけて咲ほこる牡丹の花はくづれかかれり (香取秀真)
しづ心牡丹崩れてしまひけり (正岡子規)
白牡丹萼をあらはにくづれけり (飯田蛇笏)
夕風や牡丹崩れて不二見ゆる (田川鳳朗)
などの短歌や俳句にも読まれているほか、石井露月、石原八束、加藤楸邨などの作品でも用いられています。
サクラの「散る」は花びらが風に吹かれて潔く散る、ウメの「こぼれる」は花びらが1枚ずつはらはらとこぼれるように離れる、ツバキの「落ちる」は花びらが離れず塊となって音を立てて落下する、ボタンの「崩れる」は、豪華に咲き誇ったのち、花びらが生気をなくし、ばらけて花姿を失う様子を表しています。
ボタンの「崩れる」は、大きく美しい花が豪華に咲き誇り、花びらが生気をなくし、そしてばらけて花姿を失う、そんな様子を印象的に表現したものです。 短歌や俳句では、花が咲き終わる様子や花びらの散るさまについて、その花から受ける印象によって独特な表現をします。
雨戸さし昼を人居ぬ家の庭照る白牡丹くづれなむとす (窪田空穂)
真盛の照る日をうけて咲ほこる牡丹の花はくづれかかれり (香取秀真)
しづ心牡丹崩れてしまひけり (正岡子規)
白牡丹萼をあらはにくづれけり (飯田蛇笏)
夕風や牡丹崩れて不二見ゆる (田川鳳朗)
などの短歌や俳句にも読まれているほか、石井露月、石原八束、加藤楸邨などの作品でも用いられています。
サクラの「散る」は花びらが風に吹かれて潔く散る、ウメの「こぼれる」は花びらが1枚ずつはらはらとこぼれるように離れる、ツバキの「落ちる」は花びらが離れず塊となって音を立てて落下する、ボタンの「崩れる」は、豪華に咲き誇ったのち、花びらが生気をなくし、ばらけて花姿を失う様子を表しています。

第10問
問題
図版は江戸中期の画家、伊藤若冲が描いた『野菜涅槃図』です。涅槃(死)に入って横たわる釈迦を、伏せた籠の上の植物で表しています。
この植物は何でしょうか?
この植物は何でしょうか?
- 1ニンジン
- 2ヤマノイモ(ヤマイモ)
- 3ダイコン
- 4ゴボウ

正解3ダイコン
解説
『野菜涅槃図』は籠の上の大根を釈迦に、それを取り巻く野菜と果物を釈迦の死を悲しむ仏弟子など一切衆生に、背後に立つトウモロコシを宝牀を囲む沙羅双樹に見立てたもので、若冲の水墨画の傑作です。戯画的な趣がありますが、安永8年(1779)の母の死後に描かれたのではないかという説があります。
和歌山県金剛峯寺に収蔵される「涅槃図」は、日本に現存する最古のもので、応徳3年(1086)の銘があり、国宝に指定されています。若冲の絵と比べてみてください。
ダイコンは中国を経て日本に伝来し『日本書紀』に「於朋泥」の名が見えます。『延喜式』には栽培法や利用法も記され、古くから食用にされてきました。
和歌山県金剛峯寺に収蔵される「涅槃図」は、日本に現存する最古のもので、応徳3年(1086)の銘があり、国宝に指定されています。若冲の絵と比べてみてください。
ダイコンは中国を経て日本に伝来し『日本書紀』に「於朋泥」の名が見えます。『延喜式』には栽培法や利用法も記され、古くから食用にされてきました。

第11問
問題
5月末から6月ごろに濃い赤紫色の果実ができ、生食したり、ジャムや果実酒に利用したりします。雌雄異株で、比較的大気汚染にも強く、暖地では街路樹としてもよく使われます。
この植物は何でしょうか?
この植物は何でしょうか?
- 1ソテツ
- 2キウイ
- 3ヤマモモ
- 4モミジイチゴ

正解3ヤマモモ
解説
ヤマモモは、ヤマモモ科ヤマモモ属の常緑高木で、関東と福井県以西の暖地に生育し、高さ20mに達することもあります。花は4月ころに咲き、5月末から6月ころに果実が熟します。雄花は短い穂のような花序を作り、花粉を出してしまうと枯れ落ちてしまいます。雌花も短い花序をつくります。果実は濃い赤紫に熟し、甘いので、そのまま食用にされたり、ジャムや果実酒に利用されたりします。果実は核果で、中央に堅い核があり、その中に種子が1個あります。モモと実のつくりは似ていますが、モモはバラ科の植物ですから、分類学的には別の仲間です。大気汚染に比較的強いので、暖地では街路樹に使われることがありますが、雌株は果実が落ち、道路がよごれるので、主に雄株が植えられています。沖縄から台湾、中国南部、フィリピンまで分布します。

第12問
問題
この植物の材は黄色を帯び、緻密で堅く、くるいが少ないため、印鑑などの材料としてよく用いられます。葉は倒卵形で先がくぼみ、厚みがあり、対生しています。
この植物は何でしょうか?
この植物は何でしょうか?
- 1ホオノキ
- 2ツゲ
- 3カツラ
- 4イヌツゲ
正解2ツゲ
解説
ツゲはツゲ科、1〜8mになる常緑低木・小高木、葉は対生で、関東以西・四国・九州の石灰岩・蛇紋岩などの貧栄養状態の場所に自生します。
春、黄緑色、淡緑色の小さな花を葉腋につけますが、花弁はありません。
なお、よく混同されるイヌツゲはモチノキ科の常緑樹で、葉は互生します。
材は古来より印材として賞用され、その他、櫛、将棋の駒、そろばん玉、彫刻などにも用いられています。ツゲ材の産地としては、鹿児島県や東京都の御蔵島が知られています。
春、黄緑色、淡緑色の小さな花を葉腋につけますが、花弁はありません。
なお、よく混同されるイヌツゲはモチノキ科の常緑樹で、葉は互生します。
材は古来より印材として賞用され、その他、櫛、将棋の駒、そろばん玉、彫刻などにも用いられています。ツゲ材の産地としては、鹿児島県や東京都の御蔵島が知られています。

第13問
問題
写真は世界で広く利用されている、南アメリカ原産の植物です。茎の一部が地中でにぎりこぶしのような塊になり、その部分を食用にします。
この植物は何でしょうか?
この植物は何でしょうか?
- 1キクイモ
- 2サツマイモ
- 3ジャガイモ
- 4サトイモ

正解3ジャガイモ
解説
ジャガイモは、ナス科ナス属の多年草です。地中にできる芋を食用とする植物としては、世界で最も広く栽培されており、年間2.5億〜3億トンが収穫されています。
原産は南アメリカのペルー南部からボリビア北部にかけてのアンデス山脈の高地で、この地域にはジャガイモに近縁な野生種が現在でも栽培されています。サツマイモの芋が根であるのに対して、ジャガイモの芋は、塊茎と呼ばれるように、茎の一部です。野生種にはソラニンなどの有毒成分があり、アンデス高地では凍結乾燥をくり返すことで毒抜きし、チューニョと呼ばれる乾燥イモにすることが古くからおこなわれています。冷涼な気候の地でもよく生育し、イモも肥大します。そのため、地球上の風土の厳しい地域の人々の生活には欠かせない作物となっています。ベト病をはじめ、細菌類・真菌類に起因する病害も多く、タネイモの消毒、生育地域の吟味が必要です。
ジャガイモ栽培の始まりについては今も研究が続けられていますが、一説では紀元前4000年ごろから始まったとされています。その後、16世紀にヨーロッパに伝えられ、日本には18世紀初めの江戸時代に渡来したとされています。ジャガイモの名は、ジャカトラ(現在のインドネシアのジャカルタ)からオランダの船によって伝えられたため、当初ジャガタライモと呼ばれたのがもとになっているといわれています。
原産は南アメリカのペルー南部からボリビア北部にかけてのアンデス山脈の高地で、この地域にはジャガイモに近縁な野生種が現在でも栽培されています。サツマイモの芋が根であるのに対して、ジャガイモの芋は、塊茎と呼ばれるように、茎の一部です。野生種にはソラニンなどの有毒成分があり、アンデス高地では凍結乾燥をくり返すことで毒抜きし、チューニョと呼ばれる乾燥イモにすることが古くからおこなわれています。冷涼な気候の地でもよく生育し、イモも肥大します。そのため、地球上の風土の厳しい地域の人々の生活には欠かせない作物となっています。ベト病をはじめ、細菌類・真菌類に起因する病害も多く、タネイモの消毒、生育地域の吟味が必要です。
ジャガイモ栽培の始まりについては今も研究が続けられていますが、一説では紀元前4000年ごろから始まったとされています。その後、16世紀にヨーロッパに伝えられ、日本には18世紀初めの江戸時代に渡来したとされています。ジャガイモの名は、ジャカトラ(現在のインドネシアのジャカルタ)からオランダの船によって伝えられたため、当初ジャガタライモと呼ばれたのがもとになっているといわれています。

第14問
問題
写真はトウ(籐)のいすです。トウは、軽くて強く、加工しやすいのでいろいろな家具に仕立てられますが、どの植物の仲間でしょうか?
- 1タケ
- 2アシ
- 3ヤシ
- 4フジ

正解3ヤシ
解説
家具や敷物に広く使われるトウは、アジアの熱帯多雨林を中心に生育するつる性のヤシで、ラタンともいいます。茎は直径3〜20cm、するどい刺が表面に多数生え、他の樹木に刺を引っかけ、60〜180mも伸びます。刺のついた皮(表面)を取り除き、芯だけにして乾燥させた後、太いものはフレーム材に、細いものは裂いて編んだり、巻く素材として、家具や敷物に加工されます。
トウは軽く加工が容易で、製品は涼しげで頑丈です。トウの主な生産輸出国はインドネシアです。
トウは軽く加工が容易で、製品は涼しげで頑丈です。トウの主な生産輸出国はインドネシアです。
第15問
問題
カルシウムやビタミンA・C、鉄分などが豊富なアブラナ科の野菜です。五代将軍・徳川綱吉が地名にちなんで命名したともいわれています。
この植物は何でしょうか?
この植物は何でしょうか?
- 1ミズナ
- 2コマツナ
- 3ミツバ
- 4ホウレンソウ
正解2コマツナ
解説
コマツナの先祖は、かぶの「くくたち(茎立ち)」であるといわれています。
コマツナが生まれたのは、江戸時代の「小松川村(現在の東京都江戸川区)」です。隣村の葛西村でつくられていた江戸名産の葛西菜を小松川村に住む椀屋久兵衛が改良したと伝えられています。また、五代将軍綱吉の鷹狩りの際に献上し、その地名にちなんで命名されたともいわれています。天保元年(1830)の『新編武蔵風土記稿』には、「東葛西領小松川辺の菘を佳品とす。世に小松菘と称せり」と記されており、このころから、味のよいすぐれた菜類として、江戸の人々に喜ばれていたことがわかります。 コマツナの先祖は、かぶの「くくたち(茎立ち)」であるといわれています。
生育適温は20度前後ですが、暑さ、寒さに比較的強く、夏場に防虫ネット、厳寒期に簡単なビニールトンネルをおこなえば周年栽培が可能です。
コマツナが生まれたのは、江戸時代の「小松川村(現在の東京都江戸川区)」です。隣村の葛西村でつくられていた江戸名産の葛西菜を小松川村に住む椀屋久兵衛が改良したと伝えられています。また、五代将軍綱吉の鷹狩りの際に献上し、その地名にちなんで命名されたともいわれています。天保元年(1830)の『新編武蔵風土記稿』には、「東葛西領小松川辺の菘を佳品とす。世に小松菘と称せり」と記されており、このころから、味のよいすぐれた菜類として、江戸の人々に喜ばれていたことがわかります。 コマツナの先祖は、かぶの「くくたち(茎立ち)」であるといわれています。
生育適温は20度前後ですが、暑さ、寒さに比較的強く、夏場に防虫ネット、厳寒期に簡単なビニールトンネルをおこなえば周年栽培が可能です。
第16問
問題
世界遺産に指定されている飛騨地域の合掌造の建物は、丸太どうしを結ぶときに釘や金具は使わず、わら縄と、「アオモミ」や「ネソ」と呼ぶ植物の枝で結束しています。
この植物は何でしょうか?
この植物は何でしょうか?
- 1モミ
- 2ロウバイ
- 3マンサク
- 4ミツマタ

正解3マンサク
解説
昔、大きな木造建築物を造成する場合、現在のようにいろいろな資材はなく、ほぞと切り込みによって木を組み合わせたり、わら縄や木本性つる植物を使って結束する手法がとられてきました。結束のためによく使われるのがフジやビナンカズラ、クズなどのつるであり、これらを総称して「葛」と呼んでいます。
合掌造では、わら縄とマンサクの若い枝条で太い丸太を結束しています。マンサクは古名で「アオモミ」や「ネソ」 「ネソノキ」と呼ばれています。マンサクの若い枝は樹皮が強く、しなやかで扱いやすく、一度締めてしまうとゆるむことはなく、また、もろくならない性質があり、このようなことから利用されてきたものと考えられます。
山野に自生するマンサクを春に地際近くで切っておくと、新梢は秋までに2mくらいに伸びます。北海道から九州にかけて自生し、早春に黄色の花を枝一面に咲かせるところから庭木としてもよく植えられています。
合掌造では、わら縄とマンサクの若い枝条で太い丸太を結束しています。マンサクは古名で「アオモミ」や「ネソ」 「ネソノキ」と呼ばれています。マンサクの若い枝は樹皮が強く、しなやかで扱いやすく、一度締めてしまうとゆるむことはなく、また、もろくならない性質があり、このようなことから利用されてきたものと考えられます。
山野に自生するマンサクを春に地際近くで切っておくと、新梢は秋までに2mくらいに伸びます。北海道から九州にかけて自生し、早春に黄色の花を枝一面に咲かせるところから庭木としてもよく植えられています。

第17問
問題
この植物は、砂糖の原料になる作物で、沖縄県や鹿児島県で栽培されています。
この植物は何でしょうか?
この植物は何でしょうか?
- 1トウモロコシ
- 2フキ
- 3ヤシ
- 4サトウキビ

正解4サトウキビ
解説
選択肢の中で、沖縄県や鹿児島県で栽培されている砂糖の原料になる植物はサトウキビです。秋から冬にススキに似た花をつけます。
トウモロコシではなく、モロコシの中にも糖用のものがあり、かつては栽培もされていましたが、現在国内で栽培されているものは飼料用と座敷ほうき用がほとんどです。ヤシの仲間のサトウヤシは、マレー半島に分布し、切った花序柄から集めた汁液を煮詰めて、砂糖を作ります。サトウキビは、近年、バイオ燃料の材料としても注目されています。
トウモロコシではなく、モロコシの中にも糖用のものがあり、かつては栽培もされていましたが、現在国内で栽培されているものは飼料用と座敷ほうき用がほとんどです。ヤシの仲間のサトウヤシは、マレー半島に分布し、切った花序柄から集めた汁液を煮詰めて、砂糖を作ります。サトウキビは、近年、バイオ燃料の材料としても注目されています。
第18問
問題
花粉症のアレルギー症状は、風媒花によってまき散らされた花粉が原因の一つとされています。
次の植物のうち、花粉症の原因とされていないものはどれでしょうか?
次の植物のうち、花粉症の原因とされていないものはどれでしょうか?
- 1スギ
- 2カモガヤ
- 3ヒノキ
- 4シロツメクサ
正解4シロツメクサ
解説
花粉症はスギなどの花粉が鼻や目の粘膜に付着することで引き起こされるとされます。
風によって花粉を広く遠くに散らす風媒花は、大量に花粉が生産されるのが特徴です。一方、虫媒花は、昆虫などに花粉を運ばせることで、効率よく受粉をおこなうことができ、空中に放出される花粉の量も少なく、花粉症の原因にはあげられません。
シロツメクサは身近な虫媒花の一つです。
風によって花粉を広く遠くに散らす風媒花は、大量に花粉が生産されるのが特徴です。一方、虫媒花は、昆虫などに花粉を運ばせることで、効率よく受粉をおこなうことができ、空中に放出される花粉の量も少なく、花粉症の原因にはあげられません。
シロツメクサは身近な虫媒花の一つです。
第19問
問題
原生地は地中海沿岸地方から西南アジア地方で、約40種ほどの仲間が知られています。秋に植え、春に咲く球根植物ですが、この植物の総称は何でしょうか?
- 1ヒヤシンス
- 2ムスカリ
- 3クロッカス
- 4アネモネ

正解2ムスカリ
解説
キジカクシ科(旧ユリ科)に属する球根植物です。植付けは9月下旬から11月上旬に行います。大球なら5号鉢に3球くらい植えると形が整います。花壇や大型プランターでは球間10~15cm植えで10~20球の群生にすると見映えがします。種や品種も多く、ルリムスカリ(和名)をはじめフサムスカリ、クロムスカリなどもあります。
酸性土壌をきらうので、苦土石灰や消石灰を多めに施すと花色、育ちともよくなります。2月に肥料を与え、3月中旬から5月上旬に開花します。葉長の半分が黄変したら掘り上げ、十分に乾かして貯蔵します。
イラク北部のシャニダール洞窟の発掘の際に、地層から発見されたネアンデルタール人遺骨周辺の土から大量の花粉が発見されました。その中にムスカリ属などが同定されたという論文が1968年に発表されています。
酸性土壌をきらうので、苦土石灰や消石灰を多めに施すと花色、育ちともよくなります。2月に肥料を与え、3月中旬から5月上旬に開花します。葉長の半分が黄変したら掘り上げ、十分に乾かして貯蔵します。
イラク北部のシャニダール洞窟の発掘の際に、地層から発見されたネアンデルタール人遺骨周辺の土から大量の花粉が発見されました。その中にムスカリ属などが同定されたという論文が1968年に発表されています。
第20問
問題
この植物は、春の萌芽期の新芽が赤くなるのが特徴です。薬用植物としても利用されています。
この植物は何でしょうか?
この植物は何でしょうか?
- 1カナメモチ
- 2ハゼノキ
- 3アカメガシワ
- 4アカシデ

正解3アカメガシワ
解説
アカメガシワは、トウダイグサ科の高さ15mほどに成長する雌雄異株の落葉樹です。
北海道を除く全国の山野や路傍などに見られます。アカメガシワは赤芽柏の意味で、かつては食べ物を包む葉をカシワと総称し、新芽が赤く、葉で食物を包んだことに名前の由来があるといわれています。樹皮は将軍木皮とも言い、民間薬として胃潰瘍や十二指腸潰瘍に用いられ、潰瘍治療薬として製剤化されています。また、その葉はあせもやかぶれ治療のための浴剤として利用されています。
北海道を除く全国の山野や路傍などに見られます。アカメガシワは赤芽柏の意味で、かつては食べ物を包む葉をカシワと総称し、新芽が赤く、葉で食物を包んだことに名前の由来があるといわれています。樹皮は将軍木皮とも言い、民間薬として胃潰瘍や十二指腸潰瘍に用いられ、潰瘍治療薬として製剤化されています。また、その葉はあせもやかぶれ治療のための浴剤として利用されています。