公園文化を語るみどり花コラム公園の達人公園管理運営「チャレンジ!」しました生きもの小話公園の本棚

花みどりミニ検定第187回 (2025/06/01~2025/06/30)

前回の解答と解説

第1問

問題
いけばなを生ける時に、水揚げが良くないため「水切り」を行い、新聞紙など通気性のよい紙に包んで水で湿らせ、一晩おいてから生けるとよいとされている植物はどれでしょうか?
  • 1スイセン
  • 2アジサイ
  • 3モモ
  • 4シラン
正解2アジサイ
解説
アジサイはアジサイ科アジサイ属の植物で、広義の意味でアジサイという場合はガクアジサイ、セイヨウアジサイなどの品種を含みます。狭義の意味のアジサイは、ガクアジサイの花序全体が装飾花に変じた園芸品種を指します。アジサイの花は、枝先に球状に集まってつきます。その一つ一つの花の4枚の花びらのように見えるのはがく片で、その中心部に直径1〜2mmの小さな花弁があります。
水揚げの方法の最も基本的なものは「水切り」です。空気中で植物を切ると、切り口から導管内に気泡が入り、水の運行が妨げられて水揚げが悪くなるため、水中で花材の根もとを切ります。その他、水揚げのよくないものについては、花材の吸水面積をふやすために「根もとを割ったり、砕いたりする方法」や、植物組織を炭化させて根もとについた腐敗菌を殺して吸水しやすいようにする「根もとを焼く」方法などがあります。

第2問

問題
フランスで1867年に作出された品種で、ハイブリッド・ティーの第1号として著名な品種はどれでしょうか?
  • 1エルゼ・ポールセン
  • 2ソレイユ・ドール
  • 3ラ・フランス
  • 4パケレット
問題画像1
正解3ラ・フランス
解説
バラは、世界各地の野生バラから交配がくり返され、多数の品種がつくられてきました。ハイブリッド・ティーは、ティー系の四季咲き性とハイブリッド・パーペチュアル系の大輪性と強健さとを合わせ持った品種群で、現在最も多数の品種を含む系統になっています。
1867年にフランスで作出されたラ・フランスはその第1号とされてきた品種です。第1号についてはさらに遡るべきとの説もありますが、ラ・フランスが第1号として長くいわれてきた著名な品種であることに変わりはありません。
なお、エルゼ・ポールセンはフロリバンダ系、ソレイユ・ドールはペルネシアナ系、パケレットはポリアンサ系の初期の品種です。

第3問

問題
この花の香りには、鎮静効果があることが知られています。抽出される精油は、ストレスによる不安などの症状を取り除き、睡眠を誘う効果があります。
この植物は何でしょうか?
  • 1カミツレ(カモマイル)
  • 2ローズマリー
  • 3ラベンダー
  • 4セージ
問題画像1
正解3ラベンダー
解説
ラベンダーはシソ科・多年草の植物です。花だけではなく、茎、葉の全草に香りがあるのが特徴です。
ラベンダーという名は、ラテン語のlavare「洗う」に由来し、古代から入浴に用いられていたという古い歴史があります。そこには香りだけでなく、疲れを取り、リラックスさせる効用とともに殺菌、消毒作用があることも知られていたことがうかがえます。最近ではアロマテラピーの流行により、植物から抽出される精油(エッセンシャル・オイル)が手に入れやすくなりました。数多くあるオイルの中でも、ラベンダーの精油はその幅広い効用と、刺激が少ないことによる使いやすさから世界中で、またわが国でも最も多く使われている精油となっています。入浴にもラベンダーそのものではなく、浴槽に精油を数滴入れれば、手軽にその効用が取り入れられます。ラベンダーの精油(エッシェンシャル・オイル)の効用として、身体的には、ストレスによる神経の緊張から起こる高血圧、肩こり、腰痛などの症状の改善、また心理的ストレスによる怒り、不安などを除き、それによって起こる不眠を解消するなどがあります。

第4問

問題
この植物は、明治27(1894)年に、わが国の学者によって精子をもつことが発見され、世界中の注目を集めました。
この植物は何でしょうか?
  • 1キンモクセイ
  • 2イチョウ
  • 3クスノキ
  • 4エンジュ
正解2イチョウ
解説
秋に鮮やかな黄色に色づくイチョウは、街路樹などでおなじみの樹木です。神社や寺院には、樹齢数百年の老木・名木がたくさん残されています。この樹木は雌雄異株で、種子はギンナンと呼ばれて食用になり、栄養価の高い秋の味覚です。
シダ類やコケ類を除く陸上植物(種子植物)の中で、イチョウのように精子を持つ存在は非常に特異です。1896(明治29)年に、東京の東大付属植物園(現在の小石川植物園)の平瀬作五郎(1856〜1925)が、世界ではじめてイチョウの花粉が精子をつくることを発見し、世界の植物関係者を驚かせました。4〜5月頃、雄木の雄花から飛び散った花粉は風で運ばれ、雌木の胚珠につきます。この花粉は胚珠の珠孔から花粉室に達し、ここで9月までとどまります。そして9月に成熟して精子を形成し、移動して、卵細胞と受精します。
精子の発見につながったイチョウの個体は、今でも小石川植物園に残されています。同年、池野成一郎(1866〜1943)によって、ソテツの精子も発見されました。

第5問

問題
植物を食べる昆虫には、限られた植物(食草)しか食べないものがいます。
次の組み合わせのうち、間違った組み合わせはどれでしょうか?
  • 1キャベツ−モンシロチョウ
  • 2エノキ−オオムラサキ
  • 3イヌザンショウ−アオスジアゲハ
  • 4ウマノスズクサ−ジャコウアゲハ
正解3イヌザンショウ−アオスジアゲハ
解説
植物は昆虫や動物に食べられないよう、昆虫や動物の体内で有害に働くような化学物質をつくり出しています。その成分は植物によってさまざまで、複数の防衛物質を生産している植物も少なくありません。たとえばキャベツなどのアブラナ科の植物はカラシ油成分で防衛していますが、モンシロチョウは平気で、食草として利用します。ジャコウアゲハはウマノスズクサの有毒物質にも平気で、しかも体内に取りこむことで自分自身も有害となり危険な鳥に対して身を守っています。しかし、ひとたび動物が植物側の防衛を打ち破るような進化をとげると、食草として独占的に食べられてしまうようになり、防衛成分も食草の探索や産卵の手がかりとして使われてしまいます。
アオスジアゲハの食草はクスノキで、幼虫はほかに同じクスノキ科のシロダモやヤブニッケイなども食べます。イヌザンショウを食草とするチョウにはカラスアゲハ、オナガアゲハ、モンキアゲハ、アゲハチョウ、クロアゲハ、シロオビアゲハなどがいます。

第6問

問題
日本各地の山野に普通に見られる常緑の小高木で、細かい葉を密生させます。萌芽力が強く、刈り込みがしやすいため、生け垣などでよく利用されます。
この植物は何でしょうか?
  • 1ツバキ
  • 2クチナシ
  • 3イヌツゲ
  • 4アオキ
問題画像1
正解3イヌツゲ
解説
イヌツゲの葉はツゲの葉と似ていて、長さ1.5〜3cmの楕円形か長楕円形をしていて縁に浅い鋸歯があります。
造園的にはこの種を「ツゲ」と称して使うことも多く、混同されやすいのですが、イヌツゲはモチノキ科の植物で、ツゲはツゲ科の植物です。イヌツゲは雌雄異株で葉は互生ですが、ツゲは雌雄同株で葉は対生であることで判別できます。多くの園芸品種が栽培されており、丸く光沢のよい小葉を密生させ分枝性が強い「マメツゲ」、黄色い斑のある「キフイヌツゲ」、新葉が明るい黄色となる「キンメツゲ」などがあります。
主に生け垣などの庭木に使われますが、ツゲと同様に櫛などの加工品にも使われます。刈り込みは3月から10月にかけていつでもおこなえますが、強い刈り込みを一度におこなうと枝枯れを起こす危険性がありますので、少しずつ刈り込むのがよいでしょう。ヨーロッパの庭園などでは、常緑樹を円錐や円柱、四角錐など整形的に刈り込み、庭園のアクセントに用いることがありますが、これらは「トピアリー」と呼ばれ、イヌツゲもよく使われています。
解説画像1解説画像2

第7問

問題
写真はある植物の花が咲き、雄しべがたれ下がっているところです。
この植物は何でしょうか?
  • 1サトイモ
  • 2イネ
  • 3ダイズ
  • 4サツマイモ
問題画像1
正解2イネ
解説
日本人が主食としている米はイネの果実です。イネはコムギ、トウモロコシと並んで世界の三大穀物のひとつで、南極大陸以外のすべての大陸で栽培されています。
日本ではイネは一年草として栽培されますが、本来は多年草なので、熱帯地方では刈り取られた株から新芽を育てて、さらに収穫する栽培方法も行われます。
イネの栽培の起源地については、確定されておらず、中国の雲南地域からインドのアッサム地域を起源とする説、中国の長江(揚子江)の中・下流を起源とする説などがあります。
イネの花は大部分が2枚の花穎(もみ殻になる部分)に隠れていて、まず雄しべだけがはみ出して花粉を散らし、次にブラシ状の雌しべがはみ出して、風で運ばれてきた花粉を受け取ります。
もみ殻を取り除いて果皮をかぶったままの果実が玄米、果皮を取り去ったものが胚芽米で、さらに精米して胚を除去し、胚乳の部分だけにしたものが白米です。胚乳に含まれるデンプンの性質により、うるち種かもち種かの違いがあります。

第8問

問題
街路樹や公園樹として時々見かける北米原産の落葉樹です。葉の形に特徴があり、初夏にチューリップを思わせる大きな花を咲かせます。
この植物は何でしょうか?
  • 1スズカケノキ
  • 2ユリノキ
  • 3トチノキ
  • 4タイサンボク
問題画像1
正解2ユリノキ
解説
ユリノキはモクレン科の落葉高木です。北米東部原産で、明治時代に日本に導入されました。幹は直立して高さ20mを超す大木になり、街路樹や公園樹として植えられます。葉は先端を切り落としたような独特の形で、半纏の形に似ていることからハンテンボクとも呼ばれます。花は5?6月に咲き、直径6?8cm、黄緑にオレンジの模様の入ったカップ状でチューリップの花を思わせます。欧米では花の様子や直立する大木になることから、チューリップツリー、チューリップポプラ、イエローポプラなどと呼ばれています。学名の属名からユリノキの名がついています。

第9問

問題
日本人にとって、米は欠かせない食べ物です。
次の記述の中で、間違っているものはどれでしょうか?
  • 1日本人1人が1年間に食べる量は平成25年度現在、約57kgである
  • 2米一俵の重さは、約100kg
  • 3「稲は捨てるとこなし」といわれるほど、様々な用途に活用される
  • 4長岡藩には、教育の大切さをといた「米百俵」という故事がある
問題画像1
正解2米一俵の重さは、約100kg
解説
かつては米は俵に詰めて運ばれました。この米1俵の重さは、約60kgです。日本人1人あたりの米の年間平均消費量は、ピークであった昭和37年の118.3kgに対し、平成19年には61.4kg、平成25年には56.9kgに減少しています。
稲は刈りとられたあと、米、糠、籾殻、藁などに分解され、衣・食・住のすべてに活用されました。藁は屋根や壁などの建築資材や畳床として使われるほか、田の堆肥や牛の飼料としてあたえられ、残った藁は湿気で腐らないように工夫した積み方で保存され、必要に応じて藁細工に加工しました。籾殻も保温材などに、糠は糠漬けや飼料のほか、石鹸の代用にされました。
「米百俵」の故事は小泉首相の所信表明演説で有名になりました。明治のはじめ、戊辰戦争で敗れた長岡藩の窮状を知った支藩の三根山藩から、見舞いとして百俵の米が贈られてきましたが、喜ぶ藩士を前にして藩の大参事小林虎三郎はこの百俵の米を藩士に分配せずに売却し、その代金を国漢学校建設の資金に注ぎ込みました。後年、ここから新生日本を背負う多くの人物が輩出しました。

第10問

問題
玄米を精米し白米にする過程で糠ができます。この糠の中に含まれていないものが一つだけあります。それはどれでしょうか?
  • 1果皮
  • 2種皮
  • 3
  • 4籾殻
正解4籾殻
解説
果皮は子房壁が発達したもので、種皮は胚珠の珠皮が発達したものです。ふつうは果皮と種皮は独立していますが、コメでは果皮と珠皮が一体となり区別できません。コメは胚乳にデンプンをたくわえ、小さな胚がついています。コメでは果皮と種皮と胚乳が密着して一体となっていおり、この部分が玄米にあたります。玄米を精米すると果皮、種皮、胚乳の一部と胚が糠となって落ちます。精米の過程で胚を残したものが胚芽米です。籾殻は玄米を包んでいるもので、精米より前の、脱穀の過程で分離されますので、玄米には籾殻がついていません。
解説画像1

第11問

問題
陰暦8月15日の満月は中秋の名月と呼ばれ、いろいろなお供えものをします。その中の1つから、中秋の名月は【 】名月とも呼ばれます。
【 】にあてはまるものは何でしょうか?
  • 1ハギ
  • 2イモ
  • 3クリ
  • 4ススキ
正解2イモ
解説
中秋の名月は別名、芋名月と呼ばれます。このころに穫れるサトイモ(イモ)の新芋を供えたからですが、その伝統はコメの団子を供えるよりも古い風習とみられています。この日、月に供える月見団子の頭をわざわざとがらせて、サトイモの形に似せて作るところもあります。
ススキはかざりますが、ススキ名月の名はありません。
また、陰暦9月13日にも芋名月、あるいは秋田・山形では栗名月ともいわれています。
解説画像1

第12問

問題
写真の植物は北海道では1回ですが、関東地方南部では初夏と晩秋の2回収穫できます。花の色はほとんど白ですが、薄い紫や濃い紫もあります。
この植物は何でしょうか?
  • 1トマト
  • 2ナス
  • 3サトイモ
  • 4ジャガイモ
問題画像1問題画像2
正解4ジャガイモ
解説
ジャガイモは南アメリカ原産のナス科の植物です。食用部分は地下茎が変化したもので、土の中に出た芽がデンプンを貯えふくらんでいもになるのです。花は白色(アーリーローズ)、白地に紫色斑点(メークイン)、赤紫色(だんしゃくいも)などで、小さなトマトのような果実がなりますが、一部の品種を除くと日本ではあまり果実はできません。いもの形は球形、楕円形、卵形などで、外皮は白色、淡紅色、紫色などがあります。
ジャガイモは、日本には1603(慶長8)年にオランダ船によってジャワのジャガタラから持ち込まれたようです。ジャガタラから持ち込まれたのでジャガタライモ、これがつまってジャガイモになったといわれています。
春作、夏作、秋作の3通りの作り方があり、寒い北海道や東北地方では夏作が、暖かい地方では春作と秋作が行われます。

第13問

問題
ジャガイモの芽と根の出かたと、新しいイモの付きかたで、正しい組み合わせはどれでしょうか?
  • 1ア・オ
  • 2イ・エ
  • 3イ・カ
  • 4ウ・オ
問題画像1問題画像2
正解4ウ・オ
解説
ジャガイモは、ふつう、種芋を植えて育てます。種芋は2〜4個に切って植えますが、切るときは、イモの表面にあるくぼみが、切ったイモのすべてに付くようにします。
種芋を植えると、芽は地中の温度が4〜5℃で伸びはじめ、10℃以上で地上に出ます。芽が伸びだすとまもなく根が出ますが、この根はイモの切り口からは出ず、必ず芽と同じくぼみから出ます。やがて地上に葉がしげると、地下部から根とはちがう地下の枝(地下茎)がのびはじめます。そして初夏の頃に花が咲きはじめると、地下茎の先はふくらみ、やがて新しいイモができます。芽や葉にはソラニンという有害な物質がふくまれ、これで昆虫や動物の食害から逃れると考えられています。
ジャガイモは南アメリカ(アンデス山脈高地)原産のナス科の多年草で、日本にはヨーロッパから東南アジアを経由して17世紀はじめ(関が原の合戦ごろ)に渡来したといわれます。南米原産ですが、ドイツやアイルランドでは常食されます。

第14問

問題
ジャガイモの一般的な特徴で、間違っているものはどれでしょうか?
  • 1ソラニンという有害物質が含まれている
  • 2種芋を植えて育てる
  • 3地上部の茎の部分が膨らみイモになる
  • 4カタクリ粉の原料になる
正解3地上部の茎の部分が膨らみイモになる
解説
ジャガイモは、ふつう、種芋を植えて育てます。種芋は2〜4個に切って植えますが、切るときは、イモの表面にあるくぼみが、切ったイモのすべてに付くようにします。
種芋を植えると、芽は地中の温度が4〜5℃で伸びはじめ、10℃以上で地上に出ます。芽が伸びだすとまもなく根が出ますが、この根はイモの切り口からは出ず、必ず芽と同じくぼみから出ます。やがて地上に葉がしげると、地下部から根とはちがう地下の枝(地下茎)がのびはじめます。そして初夏の頃に花が咲きはじめると、地下茎の先はふくらみ、やがて新しいイモができます。芽や葉にはソラニンという有害な物質がふくまれ、これで昆虫や動物の食害から逃れると考えられています。
ジャガイモは南アメリカ(アンデス山脈高地)原産のナス科の多年草で、日本にはヨーロッパから東南アジアを経由して17世紀はじめ(関が原の合戦ごろ)に渡来したといわれます。南米原産ですが、ドイツやアイルランドでは常食されます。

第15問

問題
アンデルセン童話の『白鳥の王子』で、小さな王女が白鳥になった兄弟たちの呪いを解く11枚のシャツを作るために、ある植物から糸を紡ぐ場面があります。
この植物は何でしょうか?
  • 1イラクサ
  • 2ニワトコ
  • 3サンザシ
  • 4ヨモギ
正解1イラクサ
解説
イラクサ科の1年草または多年草です。和名はイラクサで「刺草」と書き、葉と茎にチクチクとさす刺があることを指しています。そこから英名でも俗にスティンギング(とげをもつ)ネトルとも呼ばれます。
麻、亜麻、綿などが伝わるまでは古くから重要な衣料源で、その茎の強い繊維を紡いで布が織られていました。この草を刈り取り、干し、水に浸けてから繊維をより分けたのです。衣料ばかりでなく帆布、ロープ、漁網などにも役立ちました。薬用としては、この葉を煎じた汁がじんましんや鼻血を止める薬となりました。また若芽は、ホウレンソウのようにゆでて野菜として食べましたが、野生に採れるこの草はイギリスでは第1次大戦中の大切なビタミン源になったということです。
解説画像1

第16問

問題
写真の植物は、イロハモミジです。枝の先のほうからプロペラのようなものが出ていますが、これは何でしょうか?
  • 1果実
  • 2新芽
  • 3枝の一部
  • 4葉の一部
問題画像1
正解1果実
解説
イロハモミジの果実は、翼をもつ扁平な翼果です。果実に翼をもつ植物はほかにもありますが、イロハモミジなどカエデの仲間の翼果は、2個が向かい合ってプロペラのようになっています。枝から離れていくときには、一つずつに中央で分かれ回転しながら落ちていきます。落下する時間を長くすることによって、風に乗って遠くまで種子を散布することができます。
カエデ属の植物は、主に北半球の温帯に約150種が分布し、このうち日本には約20種が自生しています。イロハモミジは、福島県以西から四国、九州、朝鮮半島、中国に分布する落葉高木で10〜15mになります。秋に美しく紅葉しますが、園芸品種の鑑賞期はむしろ春です。オオモミジやヤマモミジとともに多くの園芸品種が知られています。

第17問

問題
古代インドで仏教をひらいた釈迦が、その樹下で瞑想にふけって悟りを得たという菩提樹(インドボダイジュ)の特徴として、間違っているもはどれでしょうか?
  • 1種子が堅いので珠数にする
  • 2切ると白い乳液が出る
  • 3葉の先が細長くとがる
  • 4種子は鳥に食べられて広まる
正解1種子が堅いので珠数にする
解説
釈迦が悟りをひらいた「菩提樹」は、熱帯アジアに生えるインドボダイジュで、インドゴムノキやイチヂクと同類のクワ科の樹木です。気根が垂れ下がり、葉はハート形で先が細長くとがるのが特徴で、枝葉を切ると白い乳液が出ます。花のうと呼ばれる小形の果実状のものの中に花ができ、成熟すると花のうは紫色になり、鳥に食べられます。種子は小さく鳥の糞とともに排せつされて広がり、樹木や岩の上でも発芽して苗が育ち、やがてその木や岩を包み込んで大木に成長します。種子は小粒で、数珠にできるものではありません。
インドボダイジュはフタバガキ科のサラソウジュ(沙羅双樹)、ジャケツイバラ科(広義のマメ科)のムユウジュ(無憂樹)とともに仏教の三大聖樹とされています。日本のお寺に植えられているものは、多くが中国産のアオイ科(旧シナノキ科)のボダイジュです。日本には同じ仲間であるシナノキやオオバボダイジュが自生します。なお、シューベルトの歌曲で有名なドイツのボダイジュはドイツ語でリンデンバウムと呼ばれるアオイ科(旧シナノキ科のセイヨウシナノキです。

第18問

問題
この植物の葉や茎はフレッシュハーブとして、果実は香辛料としてフランス料理やイタリア料理、ロシア料理に用いられます。
この植物は何でしょうか?
  • 1セロリ
  • 2ウイキョウ
  • 3パセリ
  • 4タイム
問題画像1
正解2ウイキョウ
解説
ウイキョウは、地中海沿岸地方から西アジアを原産地とするセリ科の多年草です。
日本には中国を経由して伝えられ、古くから漢方薬として利用されました。英名はフェンネル、フランス名はフヌイユです。草丈は1〜2mくらいになり、葉は糸状に細かく裂けています。夏から秋にかけて、枝先に黄色の小花が複散形花序に咲きます。全草に独特の芳香を有しています。秋には5〜10mmほどの楕円形の果実が実りますが、この果実を乾燥したものがフェンネルシードと呼ばれ、香りが強く、そのまま、または粉末状にして香辛料として各種の魚料理やボルシチなどに用いられます。フェンネルシードを粉砕し、水蒸気蒸留により得られた精油は、わずかな甘味を呈し、リキュール、洋菓子やせっけんなどの香料として利用されています。また、健胃剤や去痰薬などの薬剤としても用いられます。精油の主成分はアネトールです。若い葉茎は、甘い香りが強いので、焼き魚やサラダなどに刻んで入れて、フレッシュハーブとして利用されます。イタリアンフェンネルは、根出葉の葉柄基部が肥大する変種で、茹でてサラダにしたり煮込んだりして食べます。ウイキョウに似たハーブには、糸状の葉をつけるセリ科のディルやキャラウェイがあります。

第19問

問題
写真の植物は、1994年、オーストラリアのシドニー西方で発見されました。現存する、世界で最も古く希少な樹木の一つとされています。
この植物は何でしょうか?
  • 1メタセコイア
  • 2ラクウショウ
  • 3ウォレマイパイン
  • 4シマナンヨウスギ
問題画像1
正解3ウォレマイパイン
解説
ウォレマイパインは、1994年にオーストラリア、シドニーの西200km、ブルー・マウンテンにあるウォレマイ国立公園内で発見されました。
複数の幹をもつナンヨウスギ科の針葉樹です。これまでウォレマイパインは化石のみで知られ、最古の化石は9000万年前のもので、中世代から新生代第三期(2億5千万前〜160万年前)に生きていたと考えられていますが、この生きた樹木の発見までは絶滅したと考えられていました。日本では2004年の浜名湖花博でも紹介されましたが、家庭や公園でこの木を育てることが野生の木の喪失を防ぐ最良の保護手段であるとして、販売のための苗木の増殖が推進されました。2006年現在、日本でも苗木の販売がおこなわれています。

第20問

問題
写真の植物は、雑木林などに自生するスイカズラ科の落葉低木です。春になって葉が出ると、その付け根に長い柄をつけた筒状の花をたくさんつけます。
この植物は何でしょうか?
  • 1ハナゾノツクバネウツギ
  • 2ウグイスカグラ
  • 3ハコネウツギ
  • 4スイカズラ
問題画像1
正解2ウグイスカグラ
解説
スイカズラ科の低木、小高木は美しい花が咲くものが多く、なかでもウグイスカグラは小枝をたくさん出し、淡紅色の花と新しい葉の緑が混ざり遠目にも美しい植物です。
ウグイスカグラは、ウグイスノキとも呼ばれ古くからウグイスと関係づけられていたようです。ウグイスガクレという古名もあり、小枝がたくさんあるので春先にウグイスがかくれるのに都合がよいことに由来する名前との説があります。
ハナゾノツクバネウツギはアベリアといわれる園芸品種で葉が赤みをもち、6〜11月にかけ淡紅色の花をつけます。道路わきや分離帯、河川敷などに好んで植えられています。初夏に紅色の花をつけるハコネウツギもしばしば植えられているのを見かけます。スイカズラは常緑のつる植物で、香りのよい花を咲かせます。花は初めは白で、のちに黄色くなります。