花みどりミニ検定第180回 (2024/11/01~2024/11/30)
前回の解答と解説
第1問
問題
11月3日の「文化の日」には、皇居で文化勲章の授与がおこなわれます。この文化勲章には、ある植物の花がデザインされていますが、次のうちどれでしょうか?
- 1ウメ
- 2タチバナ
- 3サクラ
- 4キク
正解2タチバナ
解説
文化勲章のデザインがタチバナになったことについては、逸話があります。最初はサクラの予定であったようですが、昭和天皇が「サクラは潔く散る花だから武士道を象徴する」とおおせられ、タチバナを提案されたという話です。
タチバナは家紋にもいろいろデザインされています。千葉県佐倉市国立歴史民族博物館の植物苑に見本木があります。
タチバナは、日本原産のミカン類で、古くから親しまれてきた植物です。『万葉集』のなかにも、タチバナを詠んだ歌が68首ほど収められ、京都御所の紫宸殿の前に植えられた「右近の橘」は「左近の桜」とともに有名です。なお、タチバナといえば、ミカン科のもののほか、サクラソウ科(旧ヤブコウジ科)のカラタチバナを指すこともありますが、この植物と文化勲章とは関係がありません。
タチバナは家紋にもいろいろデザインされています。千葉県佐倉市国立歴史民族博物館の植物苑に見本木があります。
タチバナは、日本原産のミカン類で、古くから親しまれてきた植物です。『万葉集』のなかにも、タチバナを詠んだ歌が68首ほど収められ、京都御所の紫宸殿の前に植えられた「右近の橘」は「左近の桜」とともに有名です。なお、タチバナといえば、ミカン科のもののほか、サクラソウ科(旧ヤブコウジ科)のカラタチバナを指すこともありますが、この植物と文化勲章とは関係がありません。
第2問
問題
江戸時代中期に海外からもたらされたムクロジ科の高木です。八代将軍の徳川吉宗が植栽に熱心だったとされ、将軍家にゆかりのある東京の浜離宮庭園には大木があります。葉は対生で三つ裂けており、秋には赤や黄に美しく色づき、街路樹としても利用されてきました。この植物は何でしょうか。
- 1メタセコイヤ
- 2トウカエデ
- 3プラタナス
- 4ボダイジュ
正解2トウカエデ
解説
トウカエデは、ムクロジ科カエデ属の落葉広葉樹です。中国から徳川幕府への寄贈品として日本へ入ってきたカエデの仲間で、中国を意味する「トウ」が付いた名前になりました。カエデの仲間の葉は対生で、葉は基本的にいくつかに裂けており、トウカエデの葉は三つに分かれた形をしています。徳川吉宗は、外国産の動植物に関心が高く、アジアゾウの輸入などを手掛け、青木昆陽にサツマイモの普及を命じたのも吉宗でした。
第3問
問題
マツ科の樹木はほとんどが常緑の針葉樹ですが、なかには落葉性のものもあります。
次の中で、落葉性のものはどれでしょう?
次の中で、落葉性のものはどれでしょう?
- 1アカマツ
- 2エゾマツ
- 3カラマツ
- 4ハイマツ
正解3カラマツ
解説
カラマツは、我が国唯一の自生落葉針葉樹です。
針葉樹は、北方系の植物が多い中で、マツ科の樹木は熱帯地方まで広く分布しています。カラマツは、主として本州中部に分布していますが、植林されることによって、本州中部以南でも標高の高い場所に生育し、東北や北海道などの寒冷地の重要な造林木となっています。
樹高が30mにもなる高木で、極端な陽性地、山火跡地などに一斉林を作り、火災指標植物となります。また、植林も一団として造成するため、周囲の樹林に対し目立ちます。幹が直立して枝が多く、その樹形はマツ科の樹木の中で最も美しいもののひとつです。
針葉樹の中で春先の新緑がひときわ美しく、多くの人を魅了し、また落葉する前の葉は黄金色となり、広葉樹などの紅葉にも負けない美しさを見せてくれます。
針葉樹は、北方系の植物が多い中で、マツ科の樹木は熱帯地方まで広く分布しています。カラマツは、主として本州中部に分布していますが、植林されることによって、本州中部以南でも標高の高い場所に生育し、東北や北海道などの寒冷地の重要な造林木となっています。
樹高が30mにもなる高木で、極端な陽性地、山火跡地などに一斉林を作り、火災指標植物となります。また、植林も一団として造成するため、周囲の樹林に対し目立ちます。幹が直立して枝が多く、その樹形はマツ科の樹木の中で最も美しいもののひとつです。
針葉樹の中で春先の新緑がひときわ美しく、多くの人を魅了し、また落葉する前の葉は黄金色となり、広葉樹などの紅葉にも負けない美しさを見せてくれます。
第4問
問題
フェンスなどの垂直面に対して主幹や枝をぴったり張りつくように平面仕立てにする方法をエスパリエといういいます。エスパリエによく用いられている樹木の種類はどれでしょうか?
- 1ゲッケイジュ
- 2ヨーロッパブナ
- 3リンゴ
- 4プラタナス
正解3リンゴ
解説
リンゴ、ナシ、ブドウなど一般的に狭い庭で果樹を楽しむ手法とされていますので、正解はリンゴです。エスパリエはフランス語辞書に「樹墻(じゅしょう)」という訳語があり、墻とは垣根の意味です。
エスパリエはもともと、ヨーロッパ様式庭園に、生きた植物を使って建築的な効果を導入するために発達してきたもので、限られた空間に木本植物を植える便利な方法です。たとえば果樹を植えるにはそれなりの空間が必要ですが、このように仕立てることで小庭園での栽培も可能になります。
エスパリエはもともと、ヨーロッパ様式庭園に、生きた植物を使って建築的な効果を導入するために発達してきたもので、限られた空間に木本植物を植える便利な方法です。たとえば果樹を植えるにはそれなりの空間が必要ですが、このように仕立てることで小庭園での栽培も可能になります。
第5問
問題
奈良時代から栽培されてきた秋を代表する果物で、乾燥させたものは、お菓子や料理の甘味づけとして利用されてきました。
この果物は何でしょうか?
この果物は何でしょうか?
- 1カキ
- 2イチジク
- 3ブドウ
- 4ビワ
正解1カキ
解説
カキはカキノキ科カキノキ属の落葉果樹で、古い書物によると中国では紀元前2世紀ごろには栽培されていたようです。
日本では『万葉集』には歌われていませんが、柿本人麻呂のような人名に使われているので、奈良時代までには渡来していたとみられます。平安時代の宮中儀式を記した『延喜式』には祭礼の菓子として干柿子などが記されています。干し柿は50%以上の糖分を含み非常に甘いので、砂糖などがなかった昔には重要な菓子の一つで、また料理の甘味料としても利用されてきました。果肉にはタンニンという成分が含まれ、これにより渋みを感じますが、乾燥や過熱により、成分が固まり、渋みを感じなくなります。
甘ガキは鎌倉時代に日本で出現したものと見られています。甘ガキには2つの系統があり、1つは完全甘ガキで、種子ができなくても甘く、2つ目は不完全甘ガキで、種子ができないと甘くなりません。しかし、甘ガキも完全甘ガキも未熟であれば渋く、寒い地方では完全に成熟しても甘くならないことがあります。
日本では『万葉集』には歌われていませんが、柿本人麻呂のような人名に使われているので、奈良時代までには渡来していたとみられます。平安時代の宮中儀式を記した『延喜式』には祭礼の菓子として干柿子などが記されています。干し柿は50%以上の糖分を含み非常に甘いので、砂糖などがなかった昔には重要な菓子の一つで、また料理の甘味料としても利用されてきました。果肉にはタンニンという成分が含まれ、これにより渋みを感じますが、乾燥や過熱により、成分が固まり、渋みを感じなくなります。
甘ガキは鎌倉時代に日本で出現したものと見られています。甘ガキには2つの系統があり、1つは完全甘ガキで、種子ができなくても甘く、2つ目は不完全甘ガキで、種子ができないと甘くなりません。しかし、甘ガキも完全甘ガキも未熟であれば渋く、寒い地方では完全に成熟しても甘くならないことがあります。
第6問
問題
キク科の多年草でユーラシア大陸に広く分布し、高山の岩場などに自生し、白い綿毛でおおわれたその美しい姿は「高貴な白」や「アルプスの星」などと呼ばれています。
この植物は何でしょうか?
この植物は何でしょうか?
- 1チングルマ
- 2ミヤマウズラ
- 3エーデルワイス
- 4コマクサ
正解3エーデルワイス
解説
キク科のウスユキソウ属の植物はユーラシアと南アメリカの両大陸の高山に30種ほど分布していますが、その中でエーデルワイスはユーラシア大陸に広く分布する種です。
ウスユキソウ属 Leontopodiumは「ライオンの足」という意味で、頭花を星のように取り囲む葉(苞葉)が白い軟毛でおおわれていることからつけられた名です。
ウスユキソウ属で日本に分布している種としてはウスユキソウ、ミヤマウスユキソウ、ハヤチネウスユキソウなどがあります。エーデルワイスは、清純、高貴、独立、自尊、孤高などを象徴しているといわれ、しばしば詩歌・美術などに登場します。オーストリアとスイスの国花にもなっています。
ウスユキソウ属 Leontopodiumは「ライオンの足」という意味で、頭花を星のように取り囲む葉(苞葉)が白い軟毛でおおわれていることからつけられた名です。
ウスユキソウ属で日本に分布している種としてはウスユキソウ、ミヤマウスユキソウ、ハヤチネウスユキソウなどがあります。エーデルワイスは、清純、高貴、独立、自尊、孤高などを象徴しているといわれ、しばしば詩歌・美術などに登場します。オーストリアとスイスの国花にもなっています。
第7問
問題
落葉樹の剪定は、冬に行うのが一般的ですが、落葉後なるべく早く剪定を行うほうがよい樹もあります。
この植物はどれでしょうか?
この植物はどれでしょうか?
- 1ケヤキ
- 2ナツツバキ
- 3ヤマモミジ
- 4サルスベリ
正解3ヤマモミジ
解説
ヤマモミジやイロハモミジなどのカエデ属の落葉樹は、しなやかな枝ぶりが好まれ、新緑も美しいことから庭木として人気があります。この仲間は、落葉樹の中では、休眠期間が非常に短いことで知られています。関東以西では年が明けるころには休眠から覚めるため、年明け以降に枝を切ると、切り口から樹液が吹き出して衰弱してしまったり、ひどい場合はそこから木が腐って幹にウロができてしまうこともあります。
そのため、なるべく年内に剪定を終える必要があります。休眠期間以外に剪定する場合には、太めの枝は切るのを避けるなど、軽い剪定にとどめるようにします。また、切り口を雨などから保護する必要があります。樹木専用の殺菌効果のある癒合剤を塗布するのも有効です。
そのため、なるべく年内に剪定を終える必要があります。休眠期間以外に剪定する場合には、太めの枝は切るのを避けるなど、軽い剪定にとどめるようにします。また、切り口を雨などから保護する必要があります。樹木専用の殺菌効果のある癒合剤を塗布するのも有効です。
第8問
問題
写真の植物は、南米原産の半つる性の一年草、または多年草で、花、葉や未熟の果実が料理に使われています。
この植物は何でしょうか?
この植物は何でしょうか?
- 1ヒャクニチソウ
- 2キンレンカ
- 3ハナビシソウ
- 4キンセンカ
正解2キンレンカ
解説
キンレンカはノウゼンハレン科、ノウゼンハレン属の半つる性の一年草、または多年草です。和名はノウゼンハレンですが、別名のキンレンカ(金蓮花は花が黄色で葉が盾状につき、小さいながら蓮の葉に似ることに由来)の名で通用しているほか、英名ガーデンナスターチウムのガーデンを省略し、“ナスターチウム”の名でも呼ばれています。
この植物は今では花壇材料というよりも、ハーブとして植えられている場合が多く見られます。
花は料理のいろどりとし、また葉や未熟果にピリッとした辛味があり、サラダなど生食に適した草花です。なお、未熟果をすりつぶしたものはワサビの代用になります。
この植物は今では花壇材料というよりも、ハーブとして植えられている場合が多く見られます。
花は料理のいろどりとし、また葉や未熟果にピリッとした辛味があり、サラダなど生食に適した草花です。なお、未熟果をすりつぶしたものはワサビの代用になります。
第9問
問題
写真の植物は、秋から冬に赤い実をつけるモチノキ科に属する庭木です。
この植物は何でしょうか?
この植物は何でしょうか?
- 1アマミヒイラギモチ
- 2ウメモドキ
- 3モチノキ
- 4セイヨウヒイラギ
正解2ウメモドキ
解説
モチノキ科モチノキ属は、雌雄異株で花後、雌木に赤い実をつける種類が多くあります。モチノキ、タラヨウ、アマミヒイラギモチ、ヨーロッパでクリスマスリースなどの飾りに用いるホーリー(セイヨウヒイラギ)、さらに、近年人気のあるシナヒイラギモチなど、いずれも常緑性です。
ウメモドキは高さ3mほどの落葉低木です。枝は根元から直立状の株立ちとなり、雌花は葉の付け根に1?7個つき、淡紫色または白色。あまり観賞価値はありませんが、果実は約5mmほどの球形で秋から初冬に赤く熟し、美しく、花の少ない庭をいろどってくれます。変種に、白い実をつけるシロミノウメモドキ、果実が粟粒ほどの極小果をつけるコショウバイがあり、鉢植えで楽しまれています。
種まきで育成した苗は花が咲くまで雌雄の区別ができないので、確実に雌木を得るには、実のなる雌木の前年枝を3月に挿し木、もしくはウメモドキの台木に接ぎ木でふやす必要があります。
ウメモドキは高さ3mほどの落葉低木です。枝は根元から直立状の株立ちとなり、雌花は葉の付け根に1?7個つき、淡紫色または白色。あまり観賞価値はありませんが、果実は約5mmほどの球形で秋から初冬に赤く熟し、美しく、花の少ない庭をいろどってくれます。変種に、白い実をつけるシロミノウメモドキ、果実が粟粒ほどの極小果をつけるコショウバイがあり、鉢植えで楽しまれています。
種まきで育成した苗は花が咲くまで雌雄の区別ができないので、確実に雌木を得るには、実のなる雌木の前年枝を3月に挿し木、もしくはウメモドキの台木に接ぎ木でふやす必要があります。
第10問
問題
写真の植物は、枝葉には芳香があり、カレーや肉料理に利用されています。
この植物は何でしょうか?
この植物は何でしょうか?
- 1ギンモクセイ
- 2ゲッケイジュ
- 3オリーブ
- 4クスノキ
正解2ゲッケイジュ
解説
ゲッケイジュはクスノキ科ゲッケイジュ属で、地中海沿岸とカナリア島に各1種分布する常緑の小高木で、長楕円形の濃緑色の葉に芳香のあるのが特徴で、庭木としてもよく植えられています。この葉の芳香が肉の臭みを消し、香りをつけるなどから香辛料として使われています。果実は油成分を多く含み、ヨーロッパでは搾油され、薬用などに利用されています。
香辛料として利用する乾燥した葉は属名のLaurus(ラウルス)からローレル、ローリエ、ベイリーフなどと呼ばれています。雌雄異株で雌株は結実し、この果実は月桂油を含み、健胃薬などに利用されています。庭木、ガーデニングなどに葉に斑の入ったフイリゲッケイジュが用いられることもあります。
古代ギリシャではアポロンの神殿にささげられ、勝者や英雄に対してゲッケイジュの枝葉で作った環を月桂冠といい、頭に冠し勝利のシンボルにしたことは有名です。
香辛料として利用する乾燥した葉は属名のLaurus(ラウルス)からローレル、ローリエ、ベイリーフなどと呼ばれています。雌雄異株で雌株は結実し、この果実は月桂油を含み、健胃薬などに利用されています。庭木、ガーデニングなどに葉に斑の入ったフイリゲッケイジュが用いられることもあります。
古代ギリシャではアポロンの神殿にささげられ、勝者や英雄に対してゲッケイジュの枝葉で作った環を月桂冠といい、頭に冠し勝利のシンボルにしたことは有名です。
第11問
問題
「虎杖」と書くタデ科多年草のこの植物は、『枕草子』で、「文字で書くと大げさなもの」として取り上げられています。
この植物は何でしょうか?
この植物は何でしょうか?
- 1イタドリ
- 2ツユクサ
- 3クルミ
- 4ヤマモモ
正解1イタドリ
解説
『枕草子』にはこんな風に書かれています。
「実物はどうということもないが、文字にすると大げさなもの。いちご。つゆくさ。水ふぶき。くも。くるみ。文章博士。得業の生。皇太后宮権大夫。山もも。
いたどりは、まして虎の杖と書くとかいう。虎は杖などなくてもよさそうな顔をしているのに。」(現代語訳)
イチゴ、ツユクサ、クルミ、ヤマモモは、それぞれ当時の書き方だと「覆盆子」、「鴨頭草」、「胡桃」、「楊梅」となります。ミズフブキはオニバスのことだと考えられています。
イタドリを漢字で「虎」の「杖」と書くことについて、清少納言は「虎には杖など不要だ。」と冗談めかして書いていますが、実際のところは、虎の模様に似た斑の模様のある杖の大きさになる植物ということで、「虎杖」と書かれたようです。
文字にすると大げさかどうかは別にしても、漢字で書かれるとなかなか読めない植物名はたくさんあります。例えば、蒲公英、女郎花、酸漿、杜若、万年青、酢漿草、木耳、公孫樹・銀杏などです。
「実物はどうということもないが、文字にすると大げさなもの。いちご。つゆくさ。水ふぶき。くも。くるみ。文章博士。得業の生。皇太后宮権大夫。山もも。
いたどりは、まして虎の杖と書くとかいう。虎は杖などなくてもよさそうな顔をしているのに。」(現代語訳)
イチゴ、ツユクサ、クルミ、ヤマモモは、それぞれ当時の書き方だと「覆盆子」、「鴨頭草」、「胡桃」、「楊梅」となります。ミズフブキはオニバスのことだと考えられています。
イタドリを漢字で「虎」の「杖」と書くことについて、清少納言は「虎には杖など不要だ。」と冗談めかして書いていますが、実際のところは、虎の模様に似た斑の模様のある杖の大きさになる植物ということで、「虎杖」と書かれたようです。
文字にすると大げさかどうかは別にしても、漢字で書かれるとなかなか読めない植物名はたくさんあります。例えば、蒲公英、女郎花、酸漿、杜若、万年青、酢漿草、木耳、公孫樹・銀杏などです。
第12問
問題
写真の植物は、寿命が長く大木となり、ヨーロッパでは教会や墓地などによく植えられています。
この植物は何でしょうか?
この植物は何でしょうか?
- 1カヤ
- 2スギ
- 3イチイ
- 4イヌマキ
正解3イチイ
解説
イチイ科イチイ属は北半球に分布する常緑樹数種を含み、ヨーロッパではセイヨウイチイが普通に見られます。日本にはイチイがあり、キャラボクなどの高木にならない園芸品種も多く栽培されています。雌雄異株で、雌株に赤く美しい「実」がなりますが、これは果実ではなく種子です。外側の、肉質の仮種皮と呼ばれる部分に赤い色がついています。
セイヨウイチイはおごそかな雰囲気をただよわせているので、生命や死と関連して扱われることがあります。永遠の生命、死、復活、荘厳などと関連づけられることが多いのですが、それらはキリスト教の普及以前からの伝統を受け継いでいるといわれています。特別な樹木として扱われることもあり、多くの伝説、民話、俗信などを生みました。その材は堅く、弾力性があり、弓を作る材料としても重要でした。伝説的な義賊のロビン・フッドとイチイの弓とのつながりも伝えられています。
日本のイチイ(一位)にはアララギ、オンコなどの別名もあります。
セイヨウイチイはおごそかな雰囲気をただよわせているので、生命や死と関連して扱われることがあります。永遠の生命、死、復活、荘厳などと関連づけられることが多いのですが、それらはキリスト教の普及以前からの伝統を受け継いでいるといわれています。特別な樹木として扱われることもあり、多くの伝説、民話、俗信などを生みました。その材は堅く、弾力性があり、弓を作る材料としても重要でした。伝説的な義賊のロビン・フッドとイチイの弓とのつながりも伝えられています。
日本のイチイ(一位)にはアララギ、オンコなどの別名もあります。
第13問
問題
この植物にアブラムシの一種が寄生すると、袋状の虫こぶができます。これを集めて乾燥させたものに鉄分を混ぜて歯に塗ったものが昔のお歯黒です。
この植物は何でしょうか?
この植物は何でしょうか?
- 1ヤマハゼ
- 2ヌルデ
- 3サンショウ
- 4キハダ
正解2ヌルデ
解説
ヌルデはウルシ科の落葉性の低木~高木で、日本各地の山野に自生します。この若芽にアブラムシの一種ヌルデノミミフシアブラムシが卵を産み、この幼虫が若葉に移動し、そこに虫こぶを作ります。この虫こぶが五倍子(ふし)で、タンニンを豊富に含んでいます。このタンニンと鉄分が合わさってできる黒色の不溶性物質を歯につけたものが、お歯黒です。渋(タンニン)のある果物を鉄のナイフで皮をむくと、ナイフが黒くなるのと同じ変化です。
なお、ヌルデの材は白く軟らかく、その特性を生かし木工細工に使われます。また、果実は晩秋になると白色の蝋のような物質におおわれますが、この物質はリンゴ酸カルシウムで、塩の代用にされました。
なお、ヌルデの材は白く軟らかく、その特性を生かし木工細工に使われます。また、果実は晩秋になると白色の蝋のような物質におおわれますが、この物質はリンゴ酸カルシウムで、塩の代用にされました。
第14問
問題
写真はアオギリの一部で、長さ8cmくらいのボート状の形をしたもの縁に3、4個の丸い玉がちょこんと載っています。
これらの各部分は何にあたるのでしょうか?
これらの各部分は何にあたるのでしょうか?
- 1ボート状の部分は果皮、玉の部分が種子
- 2ボート状の部分は葉、玉の部分は果実
- 3ボート状の部分は枝、玉の部分は果実
- 4ボート状の部分は葉、玉の部分は虫こぶ
正解1ボート状の部分は果皮、玉の部分が種子
解説
アオギリの果実はとても不思議な育ち方をします。6月?7月、花が終わったばかりの時期の若い果実は五つの条のある丸い袋状でその内側に種子がくっついているのですが、すぐに果実の皮(果皮)が五つに裂けてボート状の形となり、その縁に3?4個の緑色の丸い未熟な種子がちょこんとついたような形で育つのです。秋、種子が完全に熟したころ、ボート状の果皮は乾いて軽くなり、ひとひらずつ風に飛ばされて、縁に種子を載せたまま、くるくる回りながら落ちてきます。風に飛ばされ、種子は親木から離れたところに運ばれるというわけです。
アオギリは公園樹や街路樹として市街地でもよく見かけます。「アオギリのボート」を見つけたら、拾って投げ上げてみましょう。くるくるくる……、まるでヘリコプターのように回りながら落ちてきて、楽しくなります。
なお、他のアオギリ科の果実、たとえばチョコレートの原料のカカオなど多くは、完全に閉じた果実を結びます。
アオギリは公園樹や街路樹として市街地でもよく見かけます。「アオギリのボート」を見つけたら、拾って投げ上げてみましょう。くるくるくる……、まるでヘリコプターのように回りながら落ちてきて、楽しくなります。
なお、他のアオギリ科の果実、たとえばチョコレートの原料のカカオなど多くは、完全に閉じた果実を結びます。
第15問
問題
写真は、あるキノコの野生の姿です。栽培品は食品として有名ですが、一見モヤシのようで、野生のものとずいぶんと違っています。
このキノコは何でしょうか?
このキノコは何でしょうか?
- 1シイタケ
- 2ナメコ
- 3マツタケ
- 4エノキタケ
正解4エノキタケ
解説
キノコは多くの種類が栽培され、世界中の市場で売られています。近所の八百屋やスーパーでも、10種類程度はすぐに見つけることができます。エノキタケは、細くて長い独特の姿と、歯切れの良さが好まれ、人気の高いキノコです。おもしろいことに、野生のエノキタケは売られているものとは姿、形が全く違います。栽培のエノキタケは薄暗い場所で育てるので、もやしのような独特の形になるのです。
野生のエノキタケは、11月から3月ごろにかけて、他のキノコがほとんどない時期に出回ります。かさは薄い茶色で、軸は黒っぽく、毛足の短いビロードのような毛が密生しています。このようなキノコは他にはなく、わかりやすいキノコです。
野生のエノキタケは、11月から3月ごろにかけて、他のキノコがほとんどない時期に出回ります。かさは薄い茶色で、軸は黒っぽく、毛足の短いビロードのような毛が密生しています。このようなキノコは他にはなく、わかりやすいキノコです。
第16問
問題
カトレアの花を見ていたら、花の真ん中に白いものがありました。
これは何でしょうか?
これは何でしょうか?
- 1おしべ
- 2めしべ
- 3おしべとめしべが合体したもの
- 4蜜を出す器官
正解3おしべとめしべが合体したもの
解説
カトレアの花中央に白く見えるものは、めしべとおしべが合体し、一つの器官になったもので、「ずい柱」と呼ばれるラン科植物に特有の器官です。「ずい柱」の先端部には、葯(おしべ部分)、そして「ずい柱」の下面(腹側)には柱頭(めしべ部分)があります。ラン科植物は単子葉植物の中で最も進化した植物で、その花の構造はおしべの数を少なくし、花粉粒がまとまって花粉塊となり、ずい柱を形成して省力化を図っています。
第17問
問題
写真の植物は、耐寒性、耐陰性に優れたことで知られる、常緑低木です。
この植物は何でしょうか?
この植物は何でしょうか?
- 1サンゴジュ
- 2アオキ
- 3ヤブコウジ
- 4センリョウ
正解2アオキ
解説
アオキは日本原産のガリア科(旧ミズキ科)の植物で北海道から台湾北部まで広く分布しています。
高さ1〜2mになり、鋸歯のある長楕円形の葉をもち、花は3〜5月に咲き、果実は秋から冬にかけて熟し、実の色は一般的な赤色のほかに、オレンジ、黄色、白色のものなどもあります。葉にさまざまな斑が入った園芸品種が多数あります。
1783年、ヨーロッパに紹介されたアオキは耐寒性がある常緑広葉樹であるうえ、日陰にも強いことからヨーロッパ各地に広がり多く用いられました。しかし、最初にヨーロッパに紹介されたアオキは黄色の美しい斑入り品種でしたが、雄株であったため長い間実を結びませんでした(雌株であったが雄株がなかったためという説もあります)。そのため、日本に特別採集隊を派遣し多数の系統を導入した結果、1865年になって初めてヨーロッパで最初のアオキの結実が発表されています。
性質が強健で病気や害虫もほとんどなく、建物の北側や樹陰などの日陰でも良く生育し、栽培は容易です。明るい斑の入る品種は庭木として利用価値の高い植物ですが、なぜか日本ではあまり重要視された歴史がありません。
一方、ヨーロッパでは前述のように非常に好まれ、葉形、斑の種類、丈の高さなどの組み合わせで、数多くの園芸品種が作られています。中でも日本ではあまり手に入らない高さ30〜40cm程度の鉢物としての利用も広がっています。
高さ1〜2mになり、鋸歯のある長楕円形の葉をもち、花は3〜5月に咲き、果実は秋から冬にかけて熟し、実の色は一般的な赤色のほかに、オレンジ、黄色、白色のものなどもあります。葉にさまざまな斑が入った園芸品種が多数あります。
1783年、ヨーロッパに紹介されたアオキは耐寒性がある常緑広葉樹であるうえ、日陰にも強いことからヨーロッパ各地に広がり多く用いられました。しかし、最初にヨーロッパに紹介されたアオキは黄色の美しい斑入り品種でしたが、雄株であったため長い間実を結びませんでした(雌株であったが雄株がなかったためという説もあります)。そのため、日本に特別採集隊を派遣し多数の系統を導入した結果、1865年になって初めてヨーロッパで最初のアオキの結実が発表されています。
性質が強健で病気や害虫もほとんどなく、建物の北側や樹陰などの日陰でも良く生育し、栽培は容易です。明るい斑の入る品種は庭木として利用価値の高い植物ですが、なぜか日本ではあまり重要視された歴史がありません。
一方、ヨーロッパでは前述のように非常に好まれ、葉形、斑の種類、丈の高さなどの組み合わせで、数多くの園芸品種が作られています。中でも日本ではあまり手に入らない高さ30〜40cm程度の鉢物としての利用も広がっています。
第18問
問題
写真のようなエビフライの形をしたものは、ある実をリスやムササビが食べた残骸です。
この実がなる植物は何でしょうか?
この実がなる植物は何でしょうか?
- 1クルミ
- 2クヌギ
- 3シラカシ
- 4アカマツ
正解4アカマツ
解説
リスは、クルミやカシ、コナラ、シイ、クヌギなどの広葉樹のドングリを食べるほか、マツなどの針葉樹の実も食べます。リスはマツボックリ(松かさ)の鱗片をはがし、そこについている種子を取り出して食べます。鱗片をはがされたマツボックリは、ちょうどエビフライのような形の食べ痕となって残ります。ムササビもマツの実を同じようにして食べ、同じような食べ痕を残します。
第19問
問題
日本ではモヤシの生産にほとんど使われない豆がありますが、それはどれでしょうか?
- 1ムラサキウマゴヤシ
- 2アズキ
- 3リョクトウ
- 4ダイズ
正解2アズキ
解説
アズキは下胚軸が伸びないので、子葉(双葉)が地上に展開しない地下発芽性のマメです。
モヤシは暗所でマメを発芽させ、ふつう双葉の下の下胚軸にあたる部分を長く伸ばして食べます。ただし、アズキを長くおくと、上胚軸が伸びてモヤシにはなります。中国の一部などではこの方法で食用にされています。
ムラサキウマゴヤシはアルファルファとよばれており、日本には明治初期に導入されました。なお、モヤシの太さはダイズ、リョクトウ、ムラサキウマゴヤシの順に細くなります。
モヤシは暗所でマメを発芽させ、ふつう双葉の下の下胚軸にあたる部分を長く伸ばして食べます。ただし、アズキを長くおくと、上胚軸が伸びてモヤシにはなります。中国の一部などではこの方法で食用にされています。
ムラサキウマゴヤシはアルファルファとよばれており、日本には明治初期に導入されました。なお、モヤシの太さはダイズ、リョクトウ、ムラサキウマゴヤシの順に細くなります。
第20問
問題
地中海地方、中東などの温暖な地域に分布する常緑針葉樹で、先のすぼまった円柱形の樹形、暗緑色の鱗片状の葉が特徴です。ゴッホが南フランスで描いたことでも知られているこの植物は何でしょうか?
- 1ヒマラヤスギ
- 2イトスギ
- 3エゾマツ
- 4モミ
正解2イトスギ
解説
イトスギは地中海地方、中東などの温暖な地域に分布する常緑針葉樹で、通常は先のすぼまった円柱形の樹形になり、暗緑色の鱗片状の葉をつけます。日本では、明治中期に入ってきて以来、公園樹、庭園樹などに利用されています。
ゴッホには、ヒマワリ、イトスギ、麦畑など好みのモチーフがあったようです。それらのほとんどは、燃えるように濃厚な色彩と強烈な太陽を発見した晩年の南フランス滞在時に取り上げられています。彼のうちに渦巻く表現へのやみがたい欲求は、ねじれを強調して描かれたそれらモチーフに生々しく反映されていきます。
ゴッホは、1889年6月25日の弟宛ての手紙に、「瓶のように青いイトスギが頭から離れない。ヒマワリと同じように、この木を自分が見たように描いた者は誰もいない」と書いています。ゴッホの描く炎のような形のイトスギは、ヒマワリ同様、とてもユニークです。
ゴッホには、ヒマワリ、イトスギ、麦畑など好みのモチーフがあったようです。それらのほとんどは、燃えるように濃厚な色彩と強烈な太陽を発見した晩年の南フランス滞在時に取り上げられています。彼のうちに渦巻く表現へのやみがたい欲求は、ねじれを強調して描かれたそれらモチーフに生々しく反映されていきます。
ゴッホは、1889年6月25日の弟宛ての手紙に、「瓶のように青いイトスギが頭から離れない。ヒマワリと同じように、この木を自分が見たように描いた者は誰もいない」と書いています。ゴッホの描く炎のような形のイトスギは、ヒマワリ同様、とてもユニークです。